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「カムカムエヴリバディ」衝撃の第57回 佐々木希起用の効果

[ 2022年1月21日 08:15 ]

連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で、手紙を手にする奈々(佐々木希)(C)NHK
Photo By 提供写真

 【牧 元一の孤人焦点】21日放送のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第57回で、トランペッターの錠一郎(オダギリジョー)がヒロインのるい(深津絵里)に「奈々のことが好きになった。そやから、おまえとは終わりや」と告げる衝撃的な場面があった。

 奈々とは、女優の佐々木希(33)が演じる芸能事務所社長令嬢のこと。18日放送の第54回で初めて姿を見せた後、父親と一緒に住む都内の自宅で、レコーディングのために上京した錠一郎と過ごし始めた。

 問題は、錠一郎が突然トランペットを吹けなくなったこと。奈々は錠一郎を病院に連れて行くなど、親切心は見せていたものの、2人が恋人関係になるような展開ではなかった。「奈々のことが好きになった」という言葉は、トランペットを吹けなくなったことに悩む錠一郎が苦し紛れに、るいと別れるための方便として発したものと解釈するのが妥当だろう。

 しかし、あの場面には、そう簡単に結論づけられないところもある。これまで描かれていない錠一郎と奈々の裏側のやりとりが存在し、錠一郎は本当に奈々に好意を寄せ始めていたと推察できなくもないからだ。

 演出の松岡一史氏は、この回までの演出に関して「バランスが難しかった。男女の話となると、どうしても艶っぽくなってしまうところを、どうやって、さわやかに見せるかということを考えた。佐々木さんの芝居としては、あまり誇張せず、自然体でやっていただいた。『もしかしたら、そういうことがあるかもしれない』というギリギリのラインになったと思う」と語る。

 制作統括の堀之内礼二郎氏は「このドラマ全体に言えることだが、出演者は、ドラマ上の役割を演じるのではなく、その人物として生きることを大事にしている。佐々木さんは、るいの恋敵に見えるように演じているわけではなく、奈々の人生を生きている。それが結果的に、視聴者の方々に恋敵として見ていただけるのだとしたら、佐々木さんにやっていただいて、とても良かったと思う」と話す。

 ポイントは、視聴者があの場面を見てどう感じるかということ。すぐに、るいと別れるための方便と確信するか、それとも、疑心暗鬼になるか。後者に傾くとすれば、奈々というキャラクターの魅力の効果、佐々木希を起用した効果と言える。

 いずれにせよ、今後の見どころは、るいの動向だ。昨年12月22日放送の第38回で、母の安子(上白石萌音)は、るいに「アイ・ヘイト・ユー(大嫌い)」と言われ、離れて行ってしまった。るいも同じように、錠一郎のもとを去るのか、または、どんなことがあっても離れないのか…。物語は大きな転換点を迎えた。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。

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