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安達奈緒子氏「おかえりモネ」後、初のドラマ脚本「海の見える理髪店」台詞の裏に感情の揺れ“安達節”再び

[ 2022年1月13日 10:00 ]

NHKの8Kスペシャルドラマ「海の見える理髪店」に出演する柄本明。脚本は安達奈緒子氏
Photo By 提供写真

 俳優の柄本明(73)と藤原季節(28)が共演するNHKの8Kスペシャルドラマ「海の見える理髪店」(今年3月放送予定)の脚本を安達奈緒子氏が手掛ける。繊細な描写が反響を呼んだ昨年前期の連続テレビ小説「おかえりモネ」の後、初のドラマ脚本となり、注目される。

 原作は2016年に直木賞を受賞した荻原浩氏の同名連作短編集の表題作。海辺の小さな町の理髪店を舞台に、老店主と若い客の1時間あまりの静かなる熱い邂逅を描く。

 何故、若者は海辺の理髪店を訪れたのか?何故、老店主は自らの人生を語り始めるのか?鏡越しに交わされる2人の男の会話。老店主の70年分の回想が織りなす奇妙なサスペンスに目を奪われるうちに、急転直下のラスト。ささやかな日常の謎が解ける。

 優しい海辺の風景、刻々と色を変える夕方の太陽、蒸しタオルから立ち昇る湯気、ハサミのリズミカルな動き、宙を舞う毛束、泡立つシャボン、心地よいマッサージ…。美しい情景と職人技を8K映像が余すことなく捉える。

 柄本は老店主役、藤原は若い客役。共演は眞島秀和、水野美紀ら。4月以降にBSプレミアムで放送予定(BS4K同時放送予定)。

 「おかえりモネ」は、東日本大震災を背景に「人の痛みと再生」に誠実に向き合い、見る者の心を静かに突き動かし続けた感動作。朝ドラ脚本初挑戦となった安達氏が、ヒロインの気象予報士・永浦百音が故郷・気仙沼の役に立ちたいと奮闘する姿を丹念に描き上げた。「2021年10月度ギャラクシー賞月間賞」は「大震災発災時に島にいなかったという心の負い目から、森林組合や東京の天気予報会社でのモネの心の旅が始まる。水を通した自然の循環から人の生命のバトンタッチへと昇華していく経験の中で、最後に明かされる妹の心の深い傷にも寄り添えるまでに至る。全体を通して統一した揺るがないメッセージがあり、珠玉のセリフも心に刺さった」と高評価した。

 安達氏の起用について、NHKエンタープライズの後藤高久チーフ・プロデューサーは「原作小説『海の見える理髪店』はとても繊細な筆致で、人間の弱さや優しさが描かれた作品です。映像化するにはあまりにも静的で感覚的、その本質の捉え方を一つ間違えると、恐ろしく陳腐な人情ドラマになってしまいかねない難儀な原作です。そんな作品だから、脚本家探しは困難を極める…かと思いましたが、プロデューサーたちが集まった時、安達奈緒子さんの名前が自然と出てきました。これまで『透明なゆりかご』や朝ドラ『おかえりモネ』などで、細やかな日常を生きる人間の、その途方もなく深い感情の物語を一貫して描き続けてきた安達さんなら、この原作小説の世界観をドラマとして新たに再構築してもらえると考えたからです」と理由を説明

 「理髪店主や若い客が抱える『生きづらさ』の理由を安達さんは知っています。しかし、それを決して登場人物に声高に語らせることはしません。ただ静かに目を伏せたり、取り留めなく思い出話を続けたり、曖昧に笑みを浮かべたり、そういった微妙だけど、ある意味、雄弁なアクションで、人物の感情を深く描く台本を書き上げていただきました。もちろん台詞の量も多いですが、台詞の裏にある人物の感情の揺れを楽しめる、ある意味、サスペンスとして秀逸なドラマになりました」と手応えを示した。

 ▼柄本明 藤原季節くんという45歳も年齢の違う若者と、がっぷり組んで芝居をさせてもらいます。それも彼の髪を切りながら、まるで淀みなくセリフを話すわけですから、新年早々かなりの挑戦です。その上、若返らなければならないシーンもあるので、正月で少しゆるんだ体をキッチリ絞っていきましょう。

 ▼藤原季節 1人の青年が理髪店で髪の毛を切るお話です。鏡に映る自分の心も、髪の毛を切る人の心も分からない。それでも「海の見える理髪店」にはきっと大切な何かがあると信じたい。会って言葉を交わすことが大切なんだと信じてみたい。こんなに素晴らしいチームでドラマが作れるチャンスなんて二度とない。僕はただ黙ってその世界に立って、柄本明さんと同じ空気を吸えたらと思います。

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