ガガガSP・コザック前田 V逸も、人生の逆境期支えたオリックスに感謝「夢見させてくれた」

[ 2021年11月28日 05:30 ]

オリックスへの思い入れを語る「ガガガSP」のコザック前田
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 プロ野球・オリックスが25年ぶりの日本一を逃した27日、芸能界の“オリ党”からは感謝とねぎらいの声が上がった。オリックスとともに苦楽を乗り越えてきたロックバンド「ガガガSP」ボーカル・コザック前田(42)は、神戸に帰ってきたナインの激闘を球場で見届けた。

 スポニチ本紙の取材に応じた前田は、「負けはしましたが、ここまで夢を見させてもらい、僕はもう十分です」と感謝。「僕が見てきた中でこんなに素晴らしい日本シリーズは初めて」と称賛した。

 小学3年生から阪急ファンで、オリックスになっても応援した。中学卒業間近だった95年1月17日、阪神大震災で神戸市内の自宅が半壊。一変した町の景色は「この世の終わりみたいやった」。避難所生活も経験し、広がり始めた「がんばろうKOBE」の合言葉には、「もう十分頑張ってるのに」と違和感を覚えた。

 高校で野球部に所属したが、「こんな状況でやっててええのか」と自問自答の日々。練習帰り、部員とオリックスの本拠地グリーンスタジアム神戸(当時)が7回から外野席を無料開放するのに合わせて足繁く通った。「がんばろうKOBE」の袖章を付け奮闘する選手を見るうちに「その言葉も、野球する事も、肯定できるようになった」。

 95年のリーグ優勝、96年の日本一にも歓喜したが、自身は1年生の時に負傷で野球部を退部。音楽に打ち込み、以後は野球から遠のいた。だが再び、オリックスに救われることになる。

 05年2月、パニック障害を発症した。電車に乗ると動悸(どうき)が激しくなり、仕事もできなくなった。休養中、「野球でも行かんか」と友人に誘われ、久々に訪れたオリックスの試合。打ち合いの展開に胸が熱くなり、大興奮した。「そこで人混みが大丈夫になったんですよ」。病克服、仕事復帰へのきっかけとなった。

 年間約50試合を観戦した年もあるほど、オリックス熱が再燃。応援団とも交流を深め、“叶(かな)うべき夢の先へ”と歌う応援歌「讃丑歌」なども提供した。

 つらい時を支えてくれた球団への愛は深く、今季の飛躍に「僕はこれからも応援し続けます」と誓った。25年ぶりのリーグVを遂げた姿には、12月で25年目を迎える自身のバンドを重ねた。「紆余(うよ)曲折を乗り越え再び日本一を争うチームになり、続けることに意義があると思わせてくれた。自分も長く頑張りたい」。オリックスとともに、ガガガSPも“叶うべき夢の先へ”突き進む。

◇コザック前田 1979年(昭54)9月30日、神戸市須磨区出身の42歳。97年に「ガガガSP」を結成。2002年、シングル「卒業」でメジャーデビュー。03年、泉谷しげるとのユニットでも活動。来年1月19日にアルバム「THE ガガガSP」を発売する。  

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