菊間千乃氏 人生観変わった生放送中の転落事故「上半身の骨13本折った 気付いた時はICUの中で…」

[ 2021年10月5日 15:58 ]

菊間千乃弁護士
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 元フジテレビアナウンサーで弁護士の菊間千乃氏(49)が5日放送のテレビ朝日系「徹子の部屋」(月~金曜後1・00)にゲスト出演。生放送中の転落事故からの奇跡的な生還が弁護士を目指すきっかけになったことを明かした。

 菊間氏は1998年、フジテレビ入社4年目の26歳の時、レギュラー出演していた「めざましテレビ」の生放送で、災害時に高所から脱出する避難器具の体験リポートをした際、マンション5階(地上13メートル)の窓から転落し、全治3カ月の重傷を追う大事故に見舞われた。生放送中の事故だったこともあり、当時は大きく報じられた。

 事故について「凄かったですよね、自分はそのままICU(集中治療室)に入って、どういう報道されたのかは後から知りましたけど、新聞は全部1面でしたし。いろいろなところで報道されて」と回顧。「5階から13メートル落ちて、上半身の骨を13本折ったんです。本当に意識がなくて、気付いた時はICUの中で、マスクを外して目が覚める、みたいな。何が起こったか、全く分からない状態で…」と振り返った。

 当時、医者からは「5階から落ちて命が助かったことがすごいのと、後遺症ゼロは僕が見てきた患者さんの中であなたが初めて」と言われたという。「リハビリは2年間かかったんですけど、『2年間で終わるんだから本当にラッキー、奇跡なんだよ!』って。でも、あの痛さは何とも言えないですね。ギブス巻いても痛かったし、病院の中で紙1枚ベットの上に置かれるだけでも痛いし、人間ってすごいのが、手術しないでギブス巻いただけで全部くっ付いたんですよ。それは本当に感謝ですね」と語った。

 入院中の生活については「晴れていると気分が落ち込むんですよね。大好きな仕事に就けて、自分にしかできないと思って走り抜けていたのに、自分1人がベッドに縛り付けになっていて、テレビをつけると、自分が出ていたところに別のアナウンサーが出て、進行してる。何のために仕事をしていたんだろうとか、ものすごく考えることが多くて、気持ちも落ち込んだ」という。母親が毎日見舞いに訪れ、話を聞いてくれたというが、「フジテレビの方とかお見舞いにきてくださっても、お断りして。とても会える状況ではないっていうのがしばらく続きました」とした。

 生放送中の事故ということもあり、全国から1万通以上もの手紙や千羽鶴が届いたそうで「そのお手紙に勇気づけられて、戻る場所があると人って頑張れる」と笑顔を見せた。

 その事故は人生観を大きく変えた。「当たり前のように明日はこない。今できることを精一杯やって、生きなきゃいけない。26歳で死んだと思っているので、そこから先の人生は神様が『もうちょっと何か世の中のためにできることあるんじゃないの?』って与えられた時間だと思っているので、とにかく必死に頑張ろうって思うのと、前に前に、進んでいこう。無駄な時間を過ごしていちゃいけないという気持ちになって、それが司法試験に挑戦しようという気持ちにもつながってきました」と明かした。

 菊間氏は事故の翌年に現場復帰。2005年4月からアナウンサーの仕事を続けながら、夜間のロースクールに通うように。仕事と勉強の両立は「必死」だったといい、司法試験の勉強に専念するため、2007年年末でフジテレビを退社。2010年に司法試験に見事合格し、司法修習を経て弁護士となった。

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