永瀬王座 木村九段を破り3勝1敗で王座戦3連覇 次は王将位への連続挑戦に照準

[ 2021年10月5日 21:32 ]

木村一基九段(左)との第4局に勝利し、王座戦3連覇を決めた永瀬拓矢王座(右)
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 将棋の第69期王座戦5番勝負の第4局が5日、神戸市のホテルオークラ神戸で行われ、永瀬拓矢王座(29)が木村一基九段(48)に122手で勝利した。永瀬の2勝、木村の1勝で迎え、3勝目を挙げた永瀬の3連覇が決まった。「望外な結果。内容のよくないところもあったが、修正して精度を高め、来季に備えたい」と淡々と振り返った。

 角換わりになった第1局こそ落としたがその後、相掛かりが続き、3連勝。木村先手のこの日は木村が5段目、永瀬は4段目に飛車を浮く、序盤から神経をすり減らす好戦的な戦い。その後、大駒交換を繰り返し、さらに永瀬が飛車竜両獲りに銀を打つなど、華々しく技をかけ合って永瀬ペースへ持ち込んだ。

 夕食休憩前、永瀬が銀のひもになっていた自陣角を前線へ繰り出す、決断の一手。攻めが続かなければその銀を失う、危機と背中合わせの一着以降、攻勢に入って押し切った。

 王座戦第4局を2勝1敗と獲得へ王手をかけ、同ホテルで迎えるのは前期と同じ状況。前期は挑戦者の久保利明九段(46)に201手の大熱戦の末、敗れて2勝2敗のタイへ。最終局で危うく勝利したのに引き替え今期、最終局を回避できた手応えは大きい。

 永瀬は本社主催・第71期ALSOK杯王将戦の挑戦者決定リーグでも現在1勝0敗。今月1日、羽生善治九段(51)とのリーグ初戦に勝利した。2勝4敗で敗れた第70期に続く、渡辺明王将(37)=名人、棋王の3冠=への7番勝負挑戦へ好発進しただけに、「(渡辺ら“4強”の中で)自分だけ結果が出せてない。少しでもトップの方に近づきたい」と王座防衛の次は、王将位への連続挑戦を見据えていた。

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2021年10月5日のニュース