池江選手の希望に…大病克服のメダリスト

[ 2021年7月30日 05:30 ]

08年、北京五輪オープンウオーター男子10キロで優勝したファンデルバイデン(AP)
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 【クイズ王・伊沢拓司の五輪の書(7)】白血病から復帰した競泳の池江璃花子選手(21)。24日の400メートルリレーの予選で見事な泳ぎを見せてくれましたが、決勝には進めませんでした。今後も別のリレーに出場予定で、また応援に力が入りそうです。

 池江選手のように、大病を克服して五輪に出場し、しかも金メダルに輝いた選手がいます。08年の北京大会で競泳の男子オープンウオーターの初代王者となったオランダのマーテン・ファンデルバイデン選手です。

 19歳のときに、池江選手と同じ白血病を発症。つらい化学療法に耐えましたが、筋力は落ちる一方で、後遺症にも悩まされました。それでもリハビリを開始し競技復帰。27歳で、海を10キロも泳ぐ“水のマラソン”と呼ばれる競技の頂点に立ちました。

 肺がんから復活して、54歳で金メダルを獲った選手もいます。16年のリオ五輪セーリングの男女混合ナクラ17級に出場したアルゼンチンのサンティアゴ・ランヘ選手。15年に肺がんと診断され、左の肺を摘出してから挑みました。

 五輪の精神である「参加することに意義がある」とはよく言ったもので、選手たちがその場に立つこと自体が感動を呼びうるものです。手前勝手な思いだとはわかりつつも「池江選手なら…!」と期待してしまう自分がいます。

 ◇伊沢 拓司(いざわ・たくし)1994年(平6)5月16日生まれ、埼玉県出身の27歳。東大経済学部卒。開成高時代に全国高校クイズ選手権で史上初の個人2連覇。TBS「東大王」で人気に。19年、株式会社QuizKnockを設立しCEOに就任。

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