西島秀俊 コロナ禍でカンヌ行き断念、主演作がコンペ部門選出 反応聞きたかった

[ 2021年7月5日 05:30 ]

カンヌ映画祭のコンペ部門に選出された「ドライブ・マイ・カー」の壮行会に出席した(左から)濱口竜介監督、西島秀俊、三浦透子、霧島れいか
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 第74回カンヌ映画祭(6~17日)のコンペティション部門に選出された「ドライブ・マイ・カー」(8月20日公開)の壮行会が4日、都内で行われ、主演の西島秀俊(50)と三浦透子(24)、霧島れいか(48)、濱口竜介監督が出席した。西島にとって自身の出演作がカンヌに出品されるのは初めてで「俳優として素晴らしい経験をさせてもらった作品。世界中の人に見ていただけるのはうれしいこと」と笑顔。公式上映は11日に行われるが、自身は現地入りしないことを明かした。

 関係者によれば、コロナ禍で延期となっていた映画の撮影が入ったため。2泊4日の弾丸日程など行ける方法をギリギリまで模索したが、帰国後の2週間隔離がネックとなり断腸の思いで諦めたという。西島は「国内で仕事をしています。できれば行きたかった」としょんぼり。その上で「世界中から観客が来るので、どういう反応があるのか、意外な反応もあると思うので細かく聞きたい」と、参加する濱口監督、三浦、霧島に思いを託した。

 濱口監督は「この件に関してだけは、西島さんの事務所を恨みます。西島さんあっての映画で、一緒に作ったのにお披露目の場にいられないのは寂しい。きちんと日本にも素晴らしい俳優がいると示してきたい」と無念の表情。三浦も「心細い」と漏らした。

 同監督にとって「寝ても覚めても」以来3年ぶりのコンペ出品で、今年は仏のレオス・カラックス、米のウェス・アンダーソンら世界的な巨匠の作品とパルムドール(最高賞)を競う。今年のベルリン国際映画祭で「偶然と想像」が審査員大賞(銀熊賞)を受賞するなど海外での評価も高く、「自分としても素晴らしいものが映っていると思う。コンペは誇らしいし、改めて凄いことだと感じている」と意欲。西島も「世界が注目していて、これからもっと大きくなる監督」と期待を寄せた。

 ▽「ドライブ・マイ・カー」 作家・村上春樹氏(72)の同名短編小説が原作。妻がある秘密を残して亡くなった喪失感にさいなまれてきた舞台俳優で演出家の家福(かふく、西島)が、専属ドライバーのみさき(三浦)と理解を深めながら再生への道筋を見いだしていく叙事詩。原作の世界観を残しつつ「ワーニャ伯父さん」など劇中劇の要素を取り入れるなど大胆な物語が構成されている。

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2021年7月5日のニュース