渡辺明名人 名人戦第2局に勝利し1勝1敗 第3局の前に藤井聡太棋聖への挑戦権かける決定戦へ

[ 2021年4月28日 19:50 ]

名人戦を1勝1敗のタイとした渡辺明名人(提供・日本将棋連盟)
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 渡辺明名人(37)=王将、棋王の3冠=に斎藤慎太郎八段(28)が挑む第79期名人戦7番勝負第2局は28日、福岡県飯塚市で2日目が指し継がれ、午後5時27分、91手で先手の渡辺が勝利した。1勝1敗のタイに戻し、第3局は5月4、5日に名古屋市「亀岳林 万松寺」で指される。

 対戦成績3勝3敗、通算7度目の対戦で初めて相掛かりへ進んだ第2局。封じ手からお互い攻め合いを志向し、渡辺はさらに銀桂交換、さらに馬銀交換と駒損を犯しながら斎藤の守備駒を削っていった。

 駒損を恐れず、攻めをつなぐことで相手の盲点を突き、敵陣を崩壊へ導く渡辺将棋の代名詞「細い攻め」。その面目躍如で、飛車を成り込んだ。

 斎藤玉の背後から挟み撃ちの態勢を築き、優勢を拡大。「あまり前例のない将棋。攻め合いのスピードを封じ手の後、考えた」

 優勢を確信できたのはその飛車を成った後だったと明かし、「飛車が成れた辺りで攻めがつながった感じがした」。寄せのスピード計算の正しさを実証し、手応えをにじませた。

 「タイに戻すことができた。また来週、連戦になりますが頑張っていきたい」。第3局の前には昨年の5番勝負を1勝3敗で屈した藤井聡太棋聖(18)=王位との2冠=への挑戦権をかけ、中1日で30日に永瀬拓矢王座(28)との挑戦者決定戦に臨む。年明けから王将戦、棋王戦、名人戦と続いたタイトル戦トリプルヘッダー。そこに棋聖戦が加われば、4連続タイトル戦となり、過密日程の一方で、第一人者としての足場を固めることができる。

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2021年4月28日のニュース