「麒麟がくる」“帰蝶P”川口春奈「十兵衛に希望を託す他なかった」本能寺の変へ光秀を“後押し”

[ 2021年1月31日 20:45 ]

大河ドラマ「麒麟がくる」第43話。「毒を盛る、信長様に」と明智光秀(長谷川博己)の背中を押した帰蝶(川口春奈)(C)NHK
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 俳優の長谷川博己(43)が主演を務めるNHK大河ドラマ「麒麟がくる」(日曜後8・00)は1月31日、第43話「闇に光る樹(き)」が放送され、女優の川口春奈(25)が好演してきた織田信長(染谷将太)の正室・帰蝶が主人公・明智光秀(長谷川)の背中を押した。

 <※以下、ネタバレ有>

 大河ドラマ59作目。第29作「太平記」(1991年)を手掛けた名手・池端俊策氏(75)のオリジナル脚本で、智将・明智光秀を大河初の主役に据え、その謎めいた半生を描く。

 第43話は、もはや己の言いなりにならない正親町天皇(坂東玉三郎)の譲位を強引に進めようとする信長(染谷)。その責任者を命じられた光秀(長谷川)は、月にまで届く巨大な大木を切る不思議な夢に毎夜うなされるようになる。そして、病の療治のため京にやってきた帰蝶(川口)に再会。光秀は「(斎藤)道三様なら、どうお考えになるのか」と尋ねる…という展開。

 帰蝶「では、父に成り代わって答えよう。何を聞きたい。信長様のことであろう。想像はつく。長年使えた佐久間(信盛=金子ノブアキ)を追い払い、他の重臣たちもわずかな咎で罰せられ、帝にご譲位までを」

 光秀「道三様なら、どうなされましょう」

 帰蝶「毒を盛る、信長様に。胸は痛む。我が夫、ここまで共に戦うてきたお方。しかし父上なら、それで十兵衛の道が開けるなら、迷わずそうなさるであろう」

 光秀「道三様は私に、信長様とともに新たな世をつくれと仰せられました。信長様あっての私でございます。そのお人に毒を盛るのは、己に毒を盛るのと同じに存じます」

 帰蝶「あの時、父上は織田家に嫁げと命じ、そなたもそうしろと。私は、そう命じた父上を恨み、そなたをも恨んだ。行くなと言ってほしかった。あの時、事は決まったのじゃ。今の信長様をつくったのは父上であり、そなたなのじゃ。その信長様が独り歩きを始められ、思わぬ仕儀となった。やむを得まい。よろず、つくった者がその始末を成す他あるまい。違うか。これが父上の答えじゃ」

 光秀「帰蝶様はそのお父上の答えをどう思われますか」

 帰蝶「私はそう答える父上が大嫌いじゃ」

 光秀「私も大嫌いでございました」

 妻・煕子(木村文乃)、松永久秀(吉田鋼太郎)、正親町天皇、徳川家康(風間俊介)、足利義昭(滝藤賢一)から次々に思いを託され「信長の暴走を止められるのは自分」「(王が仁のある政治を行う時に必ず現れるという聖なる獣)麒麟を呼べるのは自分」と突き動かされてきた光秀。ついに帰蝶からも背中を押される形になった。夫・信長を支える敏腕プロデューサーぶりからSNS上で「帰蝶P」の愛称で親しまれてきた帰蝶だが、大詰めで光秀を“プロデュース”した。

 川口は「『本能寺の変』がいよいよ近づいてきました。『本能寺の変』については、演じるまで『光秀が信長を倒した』ということしか知りませんでしたが、今回の『麒麟がくる』では、そこに至るまでの光秀の葛藤や迷い、そして、いろんな人の思いを背負い、自分がやらなくてはいけないという責任感などの光秀の計り知れない思いをすごく感じます。光秀の切ない思いに感情移入せざるを得ない内容になっていると思います。最終回まで、是非ご覧いただきたいと思います」と呼び掛けた。

 また、番組公式ツイッターを通じ「“信長を殺しなさい”と、父・道三の言葉を借りて言っています。今の信長をつくったのは道三であり、十兵衛であり、帰蝶自身でもあるから、責任があると。このシーンを台本で読んだ時、帰蝶という女性の芯の強さ、奥深さを改めて実感しました。信長のことを愛しているのは絶対的な真実。ですから、複雑で切ない思いを抱えていたと思うけれど、それでも帰蝶は十兵衛の背中を押すことを選びました。明るい未来をつくれるのは、あなたしかいないと。もちろん、麒麟がくる世の中を十兵衛がつくれるという確証はないし、たとえ平穏な世の中がやってきても、自分がそこまで生きていられるかも分からない。それでも願う他なかった。十兵衛に希望を託す他なかったのではないでしょうか」と心境を明かした。

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2021年1月31日のニュース