ショーン・コネリーさんと54年前の対面秘話…極真・郷田勇三最高顧問が追悼

[ 2020年11月2日 05:30 ]

66年、大山倍達氏と会談するショーン・コネリーさん(極真会館関西総本部提供)
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 初代ジェームズ・ボンド役の英俳優ショーン・コネリーさんが90歳で死去したと全世界に伝わってから一夜明けた1日、「007は二度死ぬ」(67年公開)の撮影で来日したコネリーさんが空手の極真会館(東京・池袋)を訪問した際のエピソードを極真会館最高顧問、郷田勇三氏(80)が本紙に明かした。

 訪問したのは1966年。コネリーさんは、極真会館設立者の大山倍達総裁とガッチリ握手。大山氏と並んで道場生の演武を見学した。「コネリーさんは組手を食い入るように見つめていた」と郷田氏。稽古に参加することはなかったが、服装はポロシャツ、ズボンともに白で統一。「自分も道着を着ているとの気持ちを表したのでは」。フルコンタクトの激しい稽古に「コネリーさんは“これが日本の武道か。(日本人の)強さが分かった”と語った」という。

 その後、コネリーさんと大山氏は個室に移動。しばらく談笑して、大山氏はコネリーさんに極真空手名誉段位の認定証を贈呈したという。郷田氏はコネリーさんの肉体美を鮮明に覚えているという。ボディービルで鍛えた胸筋は、シャツが破れそうな程パンパン。「良い体をしてましたね。手足も長く、空手をやれば相当強くなったと思います」と語った。道場への訪問は、映画に出演した道場生2人が瓦割りや頭突きでの氷割りをするのを見て感激したコネリーさんが「道場を見学したい」と望んで実現した。

 コネリーさんと大山氏は意気投合。大山氏が総裁を務めていた70年代には、コネリーさんを国際極真空手連盟の役員に起用している。76年には、大山氏の著書にコネリーさんが「マス大山の世界は(中略)鉄拳一筋に生きる執念と自信に裏打ちされている」と推薦文を寄せている。

 郷田氏は「紳士で礼儀正しく気さくな人でした」と“世界一有名なスパイ”の死を悼んだ。コネリーさんの強烈な印象だけは色あせていないようだった。

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