大和田との共闘も実現「半沢直樹」“完璧な原作”にプラスα ドラマ独自の視点が奏功!井川遥は終盤本領?

[ 2020年8月23日 12:00 ]

日曜劇場「半沢直樹」第4話。役員会議に乗り込む半沢(堺雅人・手前)。大和田(香川照之)と“まさかの共闘”が実現(C)TBS
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 俳優の堺雅人(46)が主演を務め、今夏ドラマの話題を独占しているTBS日曜劇場「半沢直樹」(日曜後9・00)。今月9日に放送された第4話は主人公・半沢と宿敵・大和田が“まさかの共闘”を果たし、インターネット上も大興奮となった。香川照之(54)演じる大和田は7年ぶりの続編となった今作の原作小説に登場しておらず、ドラマオリジナルの視点と設定が見事に奏功した形。“完璧な原作”にキャスト・スタッフの熱量が加わっている。

 2013年7月期に放送された前作は、ベストセラー作家・池井戸潤氏(57)の「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」が原作。東京中央銀行のバンカー・半沢(堺)が行内の数々の不正を暴く逆転劇を痛快に描き、視聴者の心をわしづかみにした。最終回の平均視聴率は平成民放ドラマ1位となる42・2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマークし、社会現象に。決め台詞の「倍返し」は新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれた。

 前作最終回、半沢の“倍返し”を食らった大和田は常務取締役から平の取締役に降格。今作は同じく池井戸氏の「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」が原作だが、大和田は登場していない。それゆえ、ドラマ独自の“まさかの展開”が可能に。第4話は大和田が愛弟子・伊佐山(市川猿之助)に裏切られたため、土下座まで強いられた因縁の半沢と手を組んだ。SNS上には「(『ドラゴンボール』の)悟空とフリーザが共闘した時を思い出します」「最強タッグ結成」「こんな日が来るなんて」などの書き込みが続出した。

 香川自身も7月12日の制作発表で「原作が本当に完璧なんですよ。素晴らしいんですよ。どこに大和田が入る余地があるんだ、と。今後、どういう着地をしていくのか、楽しみ」と語っていたほどで、まず第1弾の着地は大成功。第4話終盤、出向先の東京セントラル証券から銀行本店に返り咲いた半沢を、帝国航空の再建担当者として中野渡頭取(北大路欣也)に推薦したのも大和田。先週16日にオンエアされた第5話も、役員会議など半沢との絡みは2回あったが、終始“塩対応”され、大和田の“拗ねた表情”が話題に。23日に放送される第6話以降も、半沢と大和田の関係性がドラマ全体のカギを握りそうだ。

 原作「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」に登場しないキャラクターとしては、女優の井川遥(44)演じる小料理屋の女将・智美が注目。第4話終盤、半沢や渡真利(及川光博)がニューヨーク支店から異動してきた紀本常務(段田安則)の話をしていると、智美のやや不安そうに見える1ショットが抜かれた。3月の新キャスト発表時、井川は「(智美は)情報通とのことなので、どのように関わっていくのか、私自身とても楽しみにしています」とコメント。いよいよ“本領発揮”となりそうだ。

 また、俳優業に定評のあるお笑いコンビ「アンジャッシュ」の児嶋一哉(48)もドラマオリジナルの登場人物を演じる。半沢の行く手を阻む国土交通大臣・白井亜希子(江口のりこ)の秘書・笠松茂樹役。公式サイトの説明によると、笠松は以前、進政党の重鎮・箕部(柄本明)を長年にわたって支えていた。当選2期の若手・白井を国土交通大臣に大抜擢したのが箕部。笠松の動きも気になる。

 序盤の感動エピソードの1つ、半沢の部下・森山(賀来賢人)の万年筆もドラマ独自のもの。森山の万年筆は、中学時代の親友だったIT業界の雄・スパイラルの瀬名社長(尾上松也)からもらった品。森山が金融の世界を志すきっかけになった。第5話、帝国航空の財務担当役員・永田宏(山西惇)の不正を半沢と一緒に暴いた“グレイトキャプテン”こと木滝英雄機長(鈴木壮麻)もドラマオリジナルのキャラクターだった。

 終盤へ“完璧な原作”にどのようなプラスアルファがあるのか、期待は大きく膨らむ。

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2020年8月23日のニュース