藤井棋聖、疲れ見せず“快笑” 竜王戦深夜の激闘から一夜 超早指し戦「落ち着いて指せた」

[ 2020年7月26日 05:30 ]

準決勝進出を果たし、笑顔を見せる藤井棋聖(右)と永瀬二冠(C)AbemaTV, Inc.
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 将棋の藤井聡太棋聖(18)が25日、インターネット放送局AbemaTVの非公式戦企画「AbemaTVトーナメント」生放送に出演した。前日の24日に竜王戦決勝トーナメント3回戦で丸山忠久九段(49)に千日手指し直しの激闘の末、午後11時31分に敗れてから一夜明けたばかりだが、「軍曹」こと永瀬拓矢2冠(27)率いる「チーム永瀬」の一員として3戦全勝をマーク。佐藤天彦九段(32)率いる「チーム天彦」に5勝2敗で勝利する原動力となった。

 この企画はプロでは希有(けう)な団体戦。持ち時間5分、1手ごとに5秒追加となる「フィッシャールール」を採用する超早指し戦だ。3棋士がチームを形成し、5勝で勝ち抜く9番勝負のトーナメント形式。藤井は初戦で斎藤慎太郎八段(27)に勝って波に乗ると、第3、6局で阿部光瑠(こうる)六段(25)を連破。前日、丸山に手痛い黒星を喫したとは思えない、はつらつとした指し回しを見せ「緊張はあったが、思った以上に落ち着いて指せました」と笑顔を見せた。

 新型コロナウイルス感染対策のため約50日にわたる対局自粛期間が明けたのが6月2日。以降、約2カ月で未放映の収録対局を除く16局を消化し、異次元のハードスケジュールをこなしてきた。次局に29日の順位戦B級2組3回戦で鈴木大介九段(46)との対戦(東京・将棋会館)が控えているものの、竜王戦の敗退で以降の対局日程には余裕が生まれている。8月は木村一基王位(47)に2勝0敗と先行している王位戦7番勝負の第3~5局にほぼ専念できる状況となった。

 過密日程に一段落つけて真夏の激闘に臨む藤井。王位戦はあと2勝で最年少2冠、同時に最年少八段昇段も実現する。18歳の少年棋士からは、まだまだ目が離せない。

 ▽AbemaTVトーナメント 1チーム3人の団体戦。番組側が選んだ棋士12人をリーダーとし、それぞれがドラフト会議形式で2人を指名してチームを組む。藤井はチーム「バナナ」で、リーダーの永瀬、増田康宏六段(22)とともに参戦。決勝トーナメントは5本先取すれば勝ちの9本勝負で行われ、優勝賞金1000万円。

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2020年7月26日のニュース