金曜夜8時プロレス生中継(下) BS朝日「時計の針を動かせた」

[ 2020年7月9日 10:10 ]

10日にBS朝日「ワールドプロレスリングリターンズ」でノーカット放送されるオカダ・カズチカ(左)と高橋ヒロム(右)の熱戦(C)新日本プロレス
Photo By 提供写真

 【牧 元一の孤人焦点】34年ぶりに金曜夜8時にプロレスを生中継した7月3日のBS朝日「ワールドプロレスリングリターンズ」。番組プロデューサーの篠原弘光氏は「実現できて本当にうれしい。さまざまな競技で生中継を経験してきましたが、ちょっと違う緊張感がありました」と胸の内を明かす。

 篠原氏自身が子供の頃から金曜夜8時にプロレスを見ていた世代。社会人になってからは2003年から10年以上にわたってテレビ朝日「ワールドプロレスリング」のプロデューサーを務め、現在はBS朝日でスポーツ全般を担当している。

 「長い間止まっていた大きな大きな時計の針をやっとなんとか動かすことができたなという実感です。ただ、今回は1つ針を動かしただけなので、まだまだこれからですが、例えゆっくりでも、いったん動いたからには止めずにいたいなと思います」

 生中継当日は連動企画として「『#金8はプロレス』というハッシュタグを付けてツイートし、プロレスを盛り上げよう!」とのキャンペーンを実施。反響は大きく、放送開始からしばらくすると、「#金8はプロレス」はツイッターのトレンドで1位を獲得し、世界トレンドでも3位になった。

 「本当にありがたいこと。BS朝日としても初めての快挙です。この時をずっと待っていてくれたプロレスファンのみなさま、新たにプロレスを見るようになってくれた新しいファンのみなさま、すべての力を結集して成し遂げられたのだと思っております。プロレスファンの力を見せることができたという意味でも感慨が大きいです」

 この「#金8はプロレス」は今年4月に「ワールドプロレスリングリターンズ」を開始した際に考案。金曜夜8時に、多くの人に番組を見てもらったり、プロレスのことを思い浮かべてもらいたいという願いを込めたもので、今後も推進していく。

 今回の生中継でのちょっとした計らいは最初のCMに入る際に流した曲。現在の番組で使用しているテーマ曲ではなく、34年前に使われていたテーマ曲「朝日に栄光あれ」を用いてオールドファンを懐かしがらせた。

 生中継ならではの課題として残ったのは放送時間の制限。オカダ・カズチカ対高橋ヒロムを最後まで中継することができず、試合結果は次の番組の中でテロップで伝えた。

 「残念ながら放送内で結果をお伝えできずに大変申し訳なく思っております。34年前にも放送に入らないことがありましたが、『こんなことで34年前にならわなくていいのに』というご意見もいただいております。真摯(しんし)に受け止め、考えていければと思います」

 10日の「ワールドプロレスリングリターンズ」は急きょ番組内容を差し替えてオカダ対高橋をノーカットで放送する。通常はテレビ朝日「ワールドプロレスリング」で編集・放送された試合を、約1カ月遅れでノーカット放送することを基本としているが、今回は逆転して先にノーカット放送する異例の措置となった。

 視聴者としては早めにノーカットで試合を見られるのは歓迎すべきこと。34年ぶりの生中継の効果がひとつ表れた形で、確実な時計の針の動きを実感した。

 ◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。

続きを表示

「美脚」特集記事

「三浦春馬」特集記事

2020年7月9日のニュース