“囲碁の天才”芝野虎丸、また快挙 最年少20歳7カ月で3冠奪取

[ 2020年6月27日 05:30 ]

史上最年少、最速で三冠を獲得した芝野虎丸新十段
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 囲碁の第58期十段戦5番勝負の第4局は26日、東京都千代田区の日本棋院で打たれ、挑戦者の芝野虎丸2冠(20)が141手で村川大介十段(29)に黒番中押し勝ちし、3勝1敗で十段を奪取。史上最年少の20歳7カ月、プロ入りから最速の5年9カ月で3冠となった。

 これまでの記録は、7大タイトル同時制覇を2度達成し、国民栄誉賞を受賞している井山裕太3冠(31)が2012年に達成した23歳1カ月、プロ入りから10年3カ月だった。囲碁界の記録を次々と塗り替えた天才をも大きく上回る、驚異的な早さとなった。

 快挙に芝野新十段は「(3冠は)出来過ぎなところがあるかなとは思う」と謙遜。内容には不満げで「足りない部分もたくさんあるし、もうちょっと頑張らないといけない」と話しつつ「内容はともかく、結果に出たというのは自信になる」と喜びをにじませた。

 芝野新十段は小学3年のころから、兄・龍之介二段(22)と囲碁の道場で本格的に勉強を始め、14歳だった14年9月にプロ入りした。一気にブレークしたのは昨年。10月に張栩九段(40)から名人を奪取し、最年少の19歳11カ月で7大タイトル保持者に。同11月には井山3冠から王座を奪取し、2冠となっていた。

 芝野新十段は本因坊戦でも挑戦中。タイトルを保持する井山3冠に7番勝負で0勝3敗とリードされているが巻き返して4冠を手にすれば、将棋の藤井聡太七段と同じく話題を呼びそうだ。

 ◆芝野 虎丸(しばの・とらまる)1999年(平11)11月9日生まれ、神奈川県出身の20歳。15年に39勝9敗(勝率.8125)で日本棋院勝率1位賞受賞。プロ入り後5年1カ月で九段昇格は最年少・最短記録。受賞歴はほかに最多勝利賞、最多対局賞、連勝賞、棋道賞新人賞。兄は同じ囲碁棋士の芝野龍之介二段(22)。

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