ヌーベルバーグの女神を映した“55分の大作”にときめいた!
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【佐藤雅昭の芸能楽書き帳】新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止になった第73回カンヌ国際映画祭。当初は5月12日から23日までの日程で開催を予定したが、ヨーロッパでのコロナ禍は深刻で、関係者も断念せざるを得なかった。
中止になったのは1968年以来2度目。フランス全土に吹き荒れた「五月革命」と呼ばれる学生や労働者のゼネストに連動したもので、会期中だった映画祭を中止に追い込んだ“張本人”がジャン・リュック・ゴダールだった。
言わずと知れたフランスを代表する世界的監督。今年12月3日に90歳の誕生日を迎えるが、映画批評家からキャリアをスタートさせた若き日のゴダールを夢中にさせたのが「ヌーベルバーグのミューズ」と呼ばれるアンナ・カリーナだった。
昨年12月14日に79年の生涯を閉じた彼女の生涯を追ったドキュメンタリー映画「アンナ・カリーナ 君はおぼえているかい」が6月13日の新宿のK,s cinemaから順次全国で公開される。
4番目にして最後の夫だったデニス・ベリー監督(75)が最愛の人に贈ったラブレターのような作品。55分の短さは、彼女の死が突然訪れた裏返しかと思ったが、チラシに「2017年/フランス」とあるから、予定通りなのだろう。
デンマークのコペンハーゲンで40年9月22日に生を受けたアンナ。不遇な幼少期を過ごし、17歳でパリに移り住む。「デンマークの家出娘が…」とナレーションと字幕で何度となく繰り返されるのが面白い。パリでスカウトされてモデルとなり、「アンナ・カリーナ」という名前はココ・シャネルが命名。母と一緒の写真もちらりと映し出されるが、ママもなかなかのべっぴんさんだ。
試写室のスクリーンに映し出される映像。座席に腰掛けている77歳のアンナ自身が熱い視線を送り、人生を回顧していく形で映画は進んでいく。瞬く間に花形モデルに成長した彼女を見そめたのがゴダールだった。
60年公開の監督デビュー作「勝手にしやがれ」も最初は彼女に出演をオファーしたという。断られたため、米国出身のジーン・セバーグに白羽の矢を立てたが、あきらめきれないゴダールは次作の「小さな兵隊」で再オファー。ここから「女は女である」(60年)、「女と男のいる舗道」(62年)、そして「気狂いピエロ」(65年)と共同作業が続き、彼女はヌーベルバーグを代表する女優の1人となっていく。
この間の61年3月3日に2人は私生活でもパートナーとなった。夫婦関係は65年に終止符を打つが、ゴダールと別れた後も、大物との仕事は続く。作曲家、歌手、映画監督とマルチに活躍したセルジュ・ゲンズブールがミュージカル映画「アンナ」(67年)を製作すれば、イタリアの巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督も「異邦人」(68年日本公開)に彼女を起用。その翌69年には米監督ジョージ・キューカーの「アレキサンドリア物語」に出演し、国際派としての階段を駆け上がる。
フランスの映画界に息苦しさを覚えた彼女は72年に渡米。ニューヨークで自ら製作、脚本、監督、出演をした「共に生きる(原題)」を世に送る。2000年には初のCDアルバム「恋物語」を発表。日本にもリサイタルで訪れ、熱烈に迎えられた映像は貴重だ。
正直言えば、ルックスはショートカットがこよなく似合ったジーン・セバーグの方が好み。演技力はジャンヌ・モローに軍配を上げたくなる。ところが、この作品で、あらためてアンナの不思議な魅力に気付かされ、大きな瞳には吸い込まれそうになった。ゴダールはじめ、ゲンズブール、ヴィスコンティ、キューカー、そして彼女を舞台に起用したイングマル・ベルイマンらを夢中にさせた理由がちょっぴり分かったような気がした。
五月革命の様子を映したニュース映像なども盛り込まれて文化財としても貴重。挿入されている映画などの権利の問題などもあって本来ならば日本では公開できない作品だったそうだ。それがプロデューサーの尽力で今年限りという条件付きながら公開にこぎつけたのはあっぱれ。1秒たりとも目を離したくない55分の“大作”だ。
なお、6月13日から19日までは「気狂いピエロ」、同20日から26日までは「女と男のいる舗道」「女は女である」が日替わりで併映される。「気狂いピエロ」と「女は女である」の字幕翻訳を手掛けたのが寺尾次郎さん。6月6日に三回忌を迎え、寺尾さんへのオマージュも兼ねる。筆者にとってもカンヌなどでお世話になった大恩人。亡くなってもう2年か…時の流れは速い。
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