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おうち時間に再発見した高杉真宙の魅力

[ 2020年5月5日 13:00 ]

映画「前田建設ファンタジー営業部」の高杉真宙(C)前田建設/Team F(C)ダイナミック企画・東映アニメーション
Photo By 提供写真

 【牧 元一の孤人焦点】おうち時間は、再発見の時間だ。仕事先の人々や数々の友人、行きつけの飲食店や文化施設…。外出自粛の日々が続いて、その大切さがあらためて分かった。映画館もその一つだ。考えてみれば、もう2カ月も足を運んでいない。映画好きにとって、そのストレスは甚大だ。

 そんな折、期間限定のオンライン無料上映があるというので、自宅のパソコンで見せてもらった。高杉真宙主演の映画「前田建設ファンタジー営業部」(英勉監督)。関係者によれば、鑑賞希望者をネットで募集したところ、定員1000人に対して約1万7000件の応募があったという。

 見てみると、楽しかった。まず、子供の頃に大好きだったアニメ「マジンガーZ」が題材になっていることに引かれた。ファンタジー営業部の部員たちが、マジンガーZに登場する「地下格納庫兼プール」を現在の技術で実際に建設することを必死に検討していく物語で、夢のあるエンターテインメントとして好感を持った。

 そして、主演の高杉が良かった。演じた主人公は、最初のうちは冷めた感じで仕事をしているが、建設の課題を解決しようと勉強していくうちにだんだん熱くなる。その演技の振り幅がとても大きかった。前半はフワッと軽い目をしているのだが、後半は強い目力を見せる。「目は口ほどに物を言う」という言葉があるように、演技で何かを表現する時に重要なのは目だということを再認識した。

 不勉強なことに高杉をビジュアル先行の俳優だと思っていた。そもそもデビューのきっかけが、小学6年生の時、女の子に間違われてスカウトされたことだそうで、最近の出演ドラマ「賭ケグルイ」を見た時も演技よりスラリとしたルックスの方が強く印象に残った。

 しかし、その経歴を見直してみれば、2014年の映画「ぼんとリンちゃん」でヨコハマ映画祭最優秀新人賞、17年の映画「散歩する侵略者」では毎日映画コンクールのスポニチグランプリ新人賞を受賞している。既に演技で評価されている俳優なのだ。

 関係者によれば、高杉は映画「前田建設ファンタジー営業部」で、主人公の前半と後半のテンションの違いに気を配りながら演じていたという。前半が低すぎてもいけないし、後半が高すぎてもいけない。そのさじ加減は難しかったに違いないが、出来上がった作品を見ると、それが成功したことが分かる。高杉の実力が表れた映画と言える。

 今後は映画「糸」(4月24日公開予定だったが新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期)などで、その演技を見ることができる。おうち時間に知り得た魅力を追い掛けようと思う。

 ◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在はNHKなど放送局を担当。

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