朝ドラ「エール」も放送中断…大河に続き6月末にも 撮影不能でストック切れ

[ 2020年5月3日 05:31 ]

撮影が止まっているため、放送中断が濃厚な「エール」
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 安倍晋三首相が緊急事態宣言を1カ月程度延長する方針を1日に示してから一夜明けた2日、NHKの連続テレビ小説「エール」(月~金曜前8・00)の撮影済みのストックが6月末から7月初旬に切れることが分かった。

 4月1日から撮影が止まっているが、4日の緊急事態宣言延長表明でさらに約1カ月再開できないことが決定的になったため、早くて6月末に撮影済みの放送回がなくなってしまうことが判明。NHK局内では、当面は異例の再放送や総集編を放送する方向で話し合いが進められている。同局はすでに、大河ドラマ「麒麟がくる」(日曜後8・00)の放送についても6月で中断することを大筋で決めている。

 20年度の前期の朝ドラ「エール」は3月30日にスタートし、9月26日に終了予定。後期放送の次作「おちょやん」の放送は9月28日から来年3月としている。「おちょやん」もクランクインから1週間の4月7日で撮影が休止となり、関係者によると、1週目も撮り終えていない状況。関係者は「おちょやんどころかエールの放送再開を年内にできるか不安が残る。麒麟がくると同様に、放送が年内で収まらないかもしれない。年度内で収まるかどうか」と、越年の可能性も指摘した。

 昭和の音楽史を代表する作曲家の古関裕而さんと妻の金子さんをモデルに描く作品。初回の平均視聴率は21・2%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と、前作「スカーレット」の20・2%を上回る好発進。今月1日の放送は新型コロナウイルスによる肺炎で3月29日に亡くなった志村けんさん(享年70)が登場し注目を集めた。

 朝ドラはこれまで通常月~土曜の放送だったが、今作は61年放送の「娘と私」以来となる週5回。朝ドラで初めて解像度の高い「4K」で撮影しているため、制作時間が従来に比べてかかることから、制作現場の負担軽減のため1回分を短縮した。関係者は「局が撮影現場の働き方改革を推進する中、緊急事態宣言が1カ月程度の延長後に撮影再開となっても、急ピッチでの制作は難しいかもしれない」と話している。

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2020年5月3日のニュース