志村けんさん「だいじょうぶだぁ」で医療に貢献 相棒の不祥事で再放送難しいはずがユーチューブで公開

[ 2020年4月19日 05:30 ]

「志村けんのだいじょうぶだぁ」から生まれた人気キャラのひとみばあさん(左)と変なおじさん
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 3月29日に新型コロナウイルスによる肺炎で死去したタレント志村けんさん(享年70)の所属事務所が18日、公式YouTubeチャンネルでコント番組「志村けんのだいじょうぶだぁ」の動画の無料公開を開始した。特番を含む173回の映像を独自に再編集した30分の映像を計10本、順次公開。広告収益は日本赤十字社に寄付し医療従事者をサポートする。

 番組は1987年から96年にフジテレビで放送。「変なおじさん」や「ひとみばあさん」などの人気キャラクターを生み出した。18日午前7時に1本目が公開されるとアクセスが殺到。午後11時30分には146万回に達した。

 1本目は広告なしだが、2本目以降は広告付きで公開。諸経費を除いた収益全額を日本赤十字社に寄付する。事務所は「志村けんを失った弊社が、社会に対して何を発信し、最前線で働く医療従事者にどのような支援ができるのかを検討した」と経緯を明かした。

 視聴者が驚いたのは元タレントの田代まさし被告(63)=覚醒剤取締法違反罪で有罪判決を受け控訴中=の姿がそのまま公開されたこと。番組では志村さんの良き相棒として大半のコントに出演していた。だが2000年以降に薬物事件などで何度も逮捕。その影響もあり「だいじょうぶだぁ」は再放送されてこなかった。

 事務所は再放送がない理由を「諸事情」とだけ記した上で「今後についても残念ながら限りなくゼロに近い状況」と説明。公開に踏み切った思いを「志村けんの全盛期とも言える時期の作品が再び世に出ないまま葬り去られてしまうことに対して大きな葛藤があった」と明かした。SNS上では賛否どちらの意見もあったが「大英断」などと好意的に受け止める声が多い。

 「処分されるのを待つのみ」だった映像を生かし、事務所側は「世界各地の家庭を明るくする一助となり、寄付により日本赤十字社の諸活動が、より多くの方々を助けることを願っている」とコメント。外出自粛が求められる今、自宅で動画を楽しむことはウイルスの感染防止に直結。天国の志村さんも「だいじょうぶだぁ」と終息に向かうことを願っていることだろう。

 《100万回再生で5万~10万円》YouTubeの広告収益は、動画再生回数によって決まる。一般的な報酬額は1回再生で0.05~0.1円とされている。再生が100万回に達すると5万~10万円が得られる計算になる。

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