沢尻エリカ被告“引退宣言”「復帰を語る資格はない」激白初公判…10代から14年間薬物使用

[ 2020年2月1日 05:30 ]

初公判を終えた沢尻エリカ被告を乗せたと思われる2台のワンボックス車は、大勢の報道陣をかき分けるようにして東京地裁を出る(撮影・西川 祐介)
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 合成麻薬MDMAとLSDを所持したとして、麻薬取締法違反罪に問われている女優沢尻エリカ被告(33)の初公判が31日、東京地裁で開かれた。逮捕後は姿を見せておらず、公の場は77日ぶり。事件で周囲に多大な迷惑を掛けたことを謝罪し「女優復帰は考えていない」「復帰を語る資格はない」と事実上の引退宣言も飛び出した。

 沢尻被告は黒のパンツスーツに白いシャツというリクルートファッション。滝岡俊文裁判長に職業を聞かれると「無職です」と、落ち着いた様子で答えた。

 検察側は冒頭陳述で、沢尻被告が大麻やコカインなどの違法薬物を使い始めたのは19歳からと指摘。昨年11月に自宅で見つかったMDMAとLSDは、元交際相手から入手したものとした。沢尻被告は「間違いありません」と起訴内容を全面的に認めた。

 10代から14年という長期に及ぶ使用実態。出廷した臨床精神科医の主治医によると、検査の結果、MDMAとLSDは依存症状が出ず、大麻は軽度の症状が認められた。現在は入院先で治療に励んでいるという。

 沢尻被告は「自分の中では薬物をコントロールでき、いつでもやめられると思っていた」とうなだれた。大麻に関しては、ドラマや映画の撮影期間以外に欲求が増し、長期休暇を取って使用。吸引量が増えることもあったという。「薬物がつないだ偽りの友情にとらわれた」とし、「夜友」と呼ばれる元交際相手やクラブ仲間らとの決別を誓った。

 事件が原因で、撮影が進んでいたNHK大河ドラマ「麒麟がくる」は撮り直しを余儀なくされた。沢尻被告は「キャストやスタッフの方に負担をかけてしまった。経済的にも大きな損害を与えてしまった」として謝罪。薬物事件の罪以上に、共演者やスタッフら多くの人に迷惑を掛けた罪を痛感している様子で、女優復帰についても「考えていません」と否定。「影響力のある立場の人間として、あまりに身勝手な行為により、多くの方を裏切り、傷つけた。その代償は計り知れない。復帰を語る資格はない」と事実上の引退を宣言した。情状出廷した飲食店経営の実兄も「今までの仕事を続けるのは難しい。同居して仕事も僕の方でサポートしたい」と、公私で出直す妹を支えていく意向を示した。

 沢尻被告は最終意見陳述で「二度とこのようなことを起こさないように必ず立ち直っていきます」と誓った。検察側は懲役1年6月を求刑。即日結審し、判決は6日に言い渡される。

 《スムーズに進み公判85分で閉廷》沢尻被告の初公判は通常の薬物事件の裁判と同様、人定質問から始まり起訴状朗読と進んでいった。沢尻被告が起訴内容を全面的に認めており、検察側と弁護側に対立がないことから公判はスムーズに流れていった。午後3時に開廷し、同4時25分に閉廷。わずか85分の初公判。これまでの大物芸能人の薬物裁判と比べ短かった。

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