「なつぞら」最終回 語り・内村光良“最後の続けよ”にネット反響「101作目に続けよ」ロスの声も続出

[ 2019年9月28日 08:15 ]

連続テレビ小説「なつぞら」最終回。語り・内村光良(左)の“最後の続けよ”は「なつよ、朝ドラよ、101作目に続けよ」。十勝の大草原の丘に立つ(左から)なつ(広瀬すず)優(増田光桜)坂場(中川大志)(C)NHK
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 女優の広瀬すず(21)がヒロインを務めたNHK連続テレビ小説の通算100作目「なつぞら」(月~土曜前8・00)は28日、最終回(第156話)を迎え、完結した。主人公・奥原なつ(広瀬)の戦死した父親役として語りを務めたお笑いコンビ「ウッチャンナンチャン」の内村光良(55)が毎週土曜日の回の最後で必ず言い、ドラマを彩ってきた名フレーズ「来週に続けよ」。注目されたラストの「続けよ」は「なつよ、朝ドラよ、101作目に続けよ」で、インターネット上で反響を呼んだ。また、放送終了を惜しむ「なつぞらロス」も広がった。

 なつ、坂場(中川大志)、優(増田光桜)が十勝の大草原の丘を歩くラストシーン。「スピッツ」の主題歌「優しいあの子」がかかり「日本のアニメーションが世界に誇れるほど大きく成長していくのは、これからなのです。その未来に向かえよ、なつよ」という内村のナレーション。そして、エンドロールが流れた後、最後の語りは「なつよ、朝ドラよ、101作目に続けよ」だった。

 この“異色”の終わり方に、ネット上には「なつよ、朝ドラよ、101作目に続けよ。ウッチャンのメタ発言で締めくくり。お疲れさまでした!」「そうきたか(笑)。やるなぁウッチャン(笑)」「野原に寝転ぶ泰樹さんが良い味を出した後に、ウッチャンが全部持っていった」「ウッチャンが聞きどころと言った渾身のナレ最高」「101作目に続けよ、胸熱」「最後のウッチャンのナレーション、きっと『未来』ってワードは入るだろうなと思ってた!それに続いての『なつよ、朝ドラよ、101作目に続けよ』は予想外でした(笑)」「101作目に続けよ、のメタナレーションまでは想像してなかった」などの書き込みが続出。視聴者の笑いも誘った。

 また「なつぞらロス。寂しい」「『なつぞら』終わらないで。『来週に続けよ』って言って」「ここまで夢中になった朝ドラは初めてです。早速なつぞらロスですが、たくさんの感動と希望をありがとうございました」「なつロス。爺ちゃんロス。マサムネさんの主題歌ロス」「終わっちゃったー。半年間ありがとう!じいちゃんロスだわ」「ドラマ終盤、弱々しくなった泰樹おんじが心配だったけど、無事最終回を迎えてホッ。しばらくおんじロスだな」「おんじファンが全編通して一番楽しませてもらったんではと思うほど大森さんを拝む最終週であったトヨ婆とのデート、千遥との再会、小なつならぬ千夏との邂逅。天陽を悼み、照男を導き認め、牛への愛を見せて、電気なんぞ要らんと言っていた頃のことも思い出させてくれて。おんじロス確定」などと“ロス”の声も相次いだ。

 節目の朝ドラ通算100作目。大河ドラマ「風林火山」や「64」「精霊の守り人」「フランケンシュタインの恋」、映画「39 刑法第三十九条」「風が強く吹いている」などで知られる脚本家の大森寿美男氏(52)が2003年後期「てるてる家族」以来となる朝ドラ2作目を手掛けたオリジナル作品。戦争で両親を亡くし、北海道・十勝の酪農家に引き取られた少女・奥原なつが、高校卒業後に上京してアニメーターとして瑞々しい感性を発揮していく姿を描いた。

 最終回は嵐の翌日、復旧作業に追われる。荒れ果てた天陽の畑で靖枝(大原櫻子)がジャガイモを掘り起こし、なつと泰樹(草刈正雄)も手伝う。照男(清原翔)と砂良(北乃きい)も散らかった小屋で落胆していたが、再び一からやり直すことを決意。一方、麻子(貫地谷しほり)から次回作について電話を受ける坂場(中川大志)。再び皆が忙しない日常の中で自分の道を切り拓いていく…という展開。

 印象的なフレーズ「なつよ、~」「来週に続けよ」は脚本の大森氏が考案。内村は「来週に続けよ」について「半年間、毎週これをお決まりにするのは大変だと思いました。私も手を替え品を替え、いろいろ言い方でやりましたが、さじ加減が難しかったです。『来週に続けよ』というのは父親的じゃなく、ちょっと俯瞰ですからね。ただ、最終週はいい感じだと思います。『あ、なるほど』と。『来週に続けよ』を続けて、良かったと思いました。視聴者の皆さんも楽しみにしていてください」と予告。期待をあおっていたが、その言葉通り、視聴者も膝を打つものだった。

 大森氏は「『なつよ、~』は父親を印象付けられればと思ったのでチャレンジしましたが、内村さんがドンドンいい味を出してくださるようになったので、途中からはひたすら楽しみました。『来週に続けよ』も続けて良かった」と語っていた。

 「101作目に続けよ」について、制作統括の磯智明チーフプロデューサー(CP)は「大森さんは自信がないとおっしゃって、実は別案も用意していたんですが、やはり、これに落ち着きました。大森さんも『“来週に続けよ”を続けて良かった』とおっしゃっていましたが、途中でやめていたら、『101作目に続けよ』はなかった。最後に『101作目に続けよ』だけやっても唐突ですからね。大森さんは否定していますが、もしかしたら最初から『101作目に続けよ』のゴールを思い付いていたのかもしれません」と明かした。

 1961年の朝ドラ第1作「娘と私」から受け継がれてきたバトンは100作目「なつぞら」を経由し、次回作「スカーレット」(30日スタート)に託された。磯CPは「100作目と言っても、結局は99作目と101作目の間でしかありません。バトンを渡していくのが僕たちの役割ですから」。節目の“大役”を勤め上げた。

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