三浦弘行九段 “今度こそ残留”無心の一手

[ 2019年9月28日 09:00 ]

王将戦 挑戦者決定リーグ 最強バトルロイヤル!生き残るのは誰だ!?<6>

王将戦挑戦へ闘志を燃やす三浦弘行九段(撮影:吉松伸太郎)
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 挑戦者決定リーグの厳しさを、誰よりも知る男かもしれない。5期ぶり5度目の参戦となる三浦弘行九段(45)は「強い方とたくさん指せるのは勉強になるし幸せなこと」と喜びをにじませる。
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 過去に出場した4度とも残留を果たせず、3勝3敗の相星での陥落を2度経験。うち1度は残留プレーオフで敗れた。「勝ち越しの壁を破れていない。リーグに残留して、1年待つ感覚を味わいたい。そこで残留を目標にするか挑戦を目指すかは、体験してみないと分からない」。何度も苦杯を味わった三浦ならではの言葉だ。

 初戦は30日、初参戦の藤井聡太七段(17)と激突する。初対戦だった8月のJT杯1回戦では、三浦が変則的な横歩取りに誘導して勝利した。「長時間の将棋を指せるのは楽しみ。早指し戦より指し手に責任が持てるというか、指運だけでないところがある」。藤井とはプロ入り前から、師匠の杉本昌隆八段(50)を通じて親交がある。「可愛い後輩だけど、心を鬼にして臨みたい」と勝負に徹する。ベテランの域に入っても、将棋界でも際立つ謙虚さに加え、戦いの内容でも年齢を感じさせない。「早指し戦は若手が強いというのが常識だった。でも昨年度のNHK杯は羽生さん(善治九段=49)が優勝して、4強も全員が羽生世代。自分も甘えていられない」。26日に史上最年長で初タイトルを獲得した木村一基王位(46)は、同学年で親交も深い。「木村さんは、今が一番輝いている。年齢で言い訳はできないと改めて思う」と刺激を受けている。

 ストイックな求道者のイメージが強いが、勉強が苦になる時期もあるという。「勝てないときに努力するのは苦しいし、生きていればつらい、努力したくないときもある。でも歴史上の偉人を想像してみても、自分だけが苦労していると思ってはいけない」。無心で指し続けた先に、たどり着けなかった新しい景色が見えてくる。

 ◆三浦 弘行(みうら・ひろゆき)1974年(昭49)2月13日生まれ、群馬県出身の45歳。西村一義九段門下。92年プロ入り、13年九段。獲得タイトルは棋聖1期で、96年に羽生の7冠独占を崩した。順位戦A級18期、竜王戦1組11期と長く最上位に在籍。

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