広瀬章人竜王、挑戦者争いで藤井聡太七段を警戒「トップ10には入っている」

[ 2019年6月3日 05:30 ]

特別記念対局で対戦した広瀬章人竜王(左)と斎藤慎太郎王座
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 スポニチ本社後援「eoプレゼンツ関西将棋まつり2019」が2日、大阪市北区の常翔ホール(大阪工業大・梅田キャンパスOIT梅田タワー)で最終日を迎え、広瀬章人竜王(32)、斎藤慎太郎王座(26)ら女流を含む棋士12人が登場した。関西でのイベント初出演の広瀬は現在進行中の竜王戦挑戦者争いについて「誰が出てもおかしくない」として、藤井聡太七段(16)もマークしていると明かした。

 来場者からの質問コーナー。3期連続決勝トーナメント(T)進出した藤井への警戒心を、広瀬は素直に認めた。

 「持ち時間の長い将棋も強い。もうトップ棋士?トップ10には入っていると思います」

 デビュー後の2年間、各6時間の順位戦で計19勝1敗。各8時間の2日制で行われる竜王戦7番勝負への適性を示している。10月開幕の7番勝負について「第2局が京都で第3局は神戸」とのアピールに続き、「挑戦者は豊島さんかもしれないし、久保さん、ひょっとしたら藤井さんかも」と具体名を挙げた。

 3冠の豊島将之名人(29)は1組4位、久保利明九段(43)は1組5位、そして藤井は4組優勝。藤井が挑戦権をつかむには、決勝Tで4連勝し、挑戦者決定3番勝負で2勝する必要がある。まだ長い道のりを完走しうる迫力を、千日手指し直し、計14時間の熱戦の末4組優勝した5月31日の対局などから感じている。

 一方、その2枚目ぶりで人気急上昇中の斎藤は「何を食べたら格好良くなれますか?」との質問に、「少なくとも私はそう思ってない」と前置きし、「その質問をされた、格好良くなりたいと思った時点で格好良さに近づいている」と持論を展開。その上で「なりたいと思ってもらえるような棋士になりたい」と追い求める頂きの高さを語った。

 両者による特別記念対局は矢倉戦から広瀬が最終盤、21手詰めで斎藤玉を討ち取り、タイトルホルダー対決を制した。

 ≪黒田四段、地方のハンデ克服だ≫4月にプロになったばかりの黒田尭之四段(22)と出口若武四段(24)がトークコーナーに出演した。松山市出身の黒田は2008年の棋士養成機関・奨励会入会以降、対局のたびにフェリーで来阪する異色の棋士。「今も松山に住んで通っているが、大阪に住まなきゃいけないくらい対局がつくように勝ちたい」と意気込みを語った。

 奨励会時代、広島から通った糸谷哲郎八段(30)、菅井竜也七段(27)は現在も岡山在住だ。地方在住でも活動しうる背景について菅井はネット将棋の普及などを挙げ、「地方では昭和、平成の初めまで情報が1カ月遅れだった。その格差がなくなっている」と指摘した。

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