囲碁史上最年少10歳プロ、今春誕生!小4女子・仲邑菫さん 9年ぶり更新

[ 2019年1月6日 05:30 ]

史上最年少で囲碁のプロ棋士となることが決まり、父の仲邑信也九段と記念写真に納まる菫さん
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 今春、日本囲碁界に史上最年少10歳のプロ棋士が誕生する。現在、小学4年生の少女、仲邑菫(なかむら・すみれ)さん(9)で、日本棋院が5日に発表した。4月1日付で初段になりプロ入り。その時点で10歳0カ月で、藤沢里菜女流本因坊(20)の11歳6カ月を9年ぶりに更新する。

 都内で行われた会見で菫さんは「よろしくお願いします」とはにかみながらあいさつ。「中学生のうちにタイトルを獲りたい。これからが勝負なので頑張ります」と意気込みを語った。

 東京都で生まれ、現在、大阪市内の小学校に通っている。父はプロ棋士の仲邑信也九段(45)で、母も元インストラクターの高段者。3歳で囲碁を覚え、小学2年で少年少女の全国大会に出場するなど活躍した。7歳から一家3人で、日本より囲碁が盛んな韓国に渡って修業。日本での義務教育履修のため日韓の往復生活を続けた。現在は1日6〜9時間、囲碁漬けの日々を送っている。

 今回、国際棋戦で中国、韓国勢と互角に戦えるプロ棋士養成のため、同棋院が新設した小学生までの採用制度「英才特別採用推薦棋士」の第1号に選ばれた。採用試験では、日本のナショナルチームコーチも務める張栩名人(38)と対局し、国民栄誉賞を受賞した井山裕太5冠(29)を含む七大タイトル保持者らが内容などを審査、全員の賛成が得られ採用が決まった。極めて異例のケースといえる。会見に同席した張名人は「9歳という年齢でこれだけの力というのは衝撃的」と、その実力に太鼓判を押した。

 囲碁には日本棋院、関西棋院があり、日本棋院には約340人のプロが所属している。菫さんは日本棋院の関西総本部に所属する予定。6日には、国民栄誉賞を受賞した井山5冠と東大阪市のイベントで対局する。

 ◆仲邑 菫(なかむら・すみれ)2009年(平21)3月2日生まれ、東京都出身の9歳。3歳7カ月で大会に初出場。5歳で「朝日・関西アマ女流囲碁名人戦」Bクラスで優勝した。好きな食べ物は焼き肉、キムチチゲ。好きな教科は体育。

 ▽プロ棋士への道 囲碁は日本棋院、関西棋院の2団体があり、それぞれが独自にプロ棋士を採用している。基本的には各棋院の養成機関に所属する「院生」になり、その成績上位者がプロとなる。女性だけの特別採用枠もある。今回の「英才特別採用推薦棋士」は採用目的に世界戦での優勝を掲げた。プロ棋士2人以上の推薦で候補者となる。プロ入りには七大タイトル保持者らが実績と将来性を評価し合格の可否を決める。

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2019年1月6日のニュース