王将戦・戦国時代(3) 7期ぶり復帰 広瀬八段独眼竜で勝負

[ 2018年9月30日 18:00 ]

伊達政宗に扮する広瀬章人八段(撮影:浦田 大作)
Photo By 提供写真

 将棋の第68期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)の挑戦者決定リーグ戦が開幕した。昨期の残留4人に加え、予選を勝ち抜いた3人の計7者による、棋界で最もハードな総当たり戦。果たして久保利明王将(43)に挑む権利を手にするのは…。参加7棋士に加え、7番勝負で挑戦者を待ち受ける久保王将の8人が戦国武将に扮(ふん)し、それぞれ心境を語った。全8回の連載をお送りする。

 王将戦挑戦者決定リーグ戦には7年前の第61期に初出場し、3勝3敗と健闘した。しかし予選勝ち上がりでリーグ戦ランキングが5位だったため無念の陥落。以来の登場となる広瀬は「歴史のある棋戦ですし、7番勝負では勝った方が面白い写真を撮られますよね。同じ業界の人として結構面白く見させていただいています」とにこやかに笑った。

 05年には早大教育学部入学と同時に四段となり、09年には新人王戦を制した。10年には初挑戦で王位を獲得。とんとん拍子にタイトル保持者となった翌11年、羽生善治・現竜王相手に失冠し、15年の王位戦で再び羽生に挑みながら返り討ちに遭った。「羽生さんにボコボコにされたので」と、代名詞だった振り飛車穴熊を捨て、現在はオーソドックスな居飛車党に落ち着いた。

 今期は王将戦挑決リーグ復帰に加え、10月11日開幕の竜王戦7番勝負では羽生への挑戦者となることも決定。重厚な対局が続く秋となるものの「棋士としては誇らしいこと。体調管理だけはしっかりしたい。普段から結構寝るタイプなので、睡眠時間さえ確保できれば大丈夫」と自信をのぞかせている。

 サッカー好きとしても有名だ。数年前には渡辺明・現棋王とともにイタリアとドイツを訪れ、セリエAのトリノ―ユベントス戦をアウェー席で観戦。本場のサッカーを堪能したが、よりによってアウェーゴールが決まってしまい、場内が一触即発ムードになるという貴重な体験も味わった。

 「あれは一生の思い出になりました」。

 現在も欧州サッカーに注目しており、特にアーセナル(イングランド)のファン。もっとも自らの棋風は「ポゼッション・サッカーではなく、モウリーニョ(マンチェスター・ユナイテッド監督)みたいなカウンターを決めるタイプ」という。

 独眼竜・伊達政宗に扮しての撮影も楽しんだ。「正直、そこまで戦国武将に詳しくないのですが、大人になって初めて興味を持ったんです。右目が眼帯でふさがっていて、よくこういう状態で活躍されたなあ」と目をしばたたかせていた。(我満 晴朗)



 ?広瀬 章人?(ひろせ・あきひと)1987年(昭62)1月18日生まれ、東京都出身の31歳。小学生時代は北海道で過ごした。今年2月の朝日杯決勝で藤井聡太五段(当時)に敗れ準優勝。1メートル76、61キロ。



 このインタビューの全文はlivedoor NEWSに掲載される。

 http://news.livedoor.com/article/detail/15370156/

続きを表示

この記事のフォト

2018年9月30日のニュース