「ぎぼむす」好調の裏に原作への敬意 森下佳子氏の「笑って泣ける」脚本に絶賛の声

[ 2018年9月4日 08:30 ]

「義母と娘のブルース」に主演する綾瀬はるか(C)TBS
Photo By 提供写真

 3話連続で番組最高視聴率を更新中と絶好調なのが、綾瀬はるか(33)が主演を務めるTBS系連続ドラマ「義母と娘のブルース」(火曜後10・00)。原作が4コマ漫画の異色ドラマとして当初から注目を集めていたが、放送開始後に人気が爆発。森下佳子氏が手掛ける「笑って泣ける」脚本に視聴者からは絶賛の声が上がっている。

 同ドラマの原作は桜沢鈴氏の「笑って泣ける」同名4コマ漫画。バリバリのキャリアウーマン・亜希子(綾瀬)と、結婚相手・良一(竹野内豊)の連れ子である娘・みゆき(横溝菜帆、上白石萌歌)とのほのぼのした日常を描く心温まる物語で、ドラマでは義母と娘がともに成長する10年間が描かれている。脚本を担当しているのは同局「世界の中心で、愛をさけぶ」(2004年)、「JIN―仁―」(09、11年)、「天皇の料理番」(15年)などで知られ、NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」(13年)では向田邦子賞、橋田賞に輝いた森下氏だ。

 実はこの原作の4コマ漫画はドラマ化前は絶版となっていたため、書店での入手が困難な状況だった。第1話放送前の6月下旬にこの“幻の漫画”について森下氏に質問をぶつけると、「私はこの漫画が大好きなので、エッセンスの部分はなるべく残していきたいです。漫画のように(ドラマでも)笑って泣いていただければ幸せ」と原作に敬意を持って、脚本に臨んでいることを語っていた。

 その敬意が最も感じられたのは、ファンの間で“神回”と呼ばれている第6話(8月14日放送)。がんと闘病していた良一の死が描かれ、亜希子とみゆきが“母子”としての絆を噛みしめながら涙するシーンは感動を呼んだ。ところが、これまで感情を表に出してこなかった亜希子の涙が止まらなくなってしまう描写など、笑える場面が随所に登場。「(良一の死を)悲劇的にしようと思えばいくらでもできますが、4コマ漫画のギャグとかテンポの良さがある中で、ちょっと笑える部分を大事にしようと心がけました」と語っていた通り、「笑って泣ける」シーンを実現させた。

 アジア大会中継のため先週の放送は休止となったが、いよいよ4日からドラマが再開。森下氏が「漫画の最後に出てくる1つのセリフが本当に素晴らしいと思いました。そのメッセージのためだけに10話を費やす価値があると思うほどです」と語るクライマックスへ。森下氏の原作の良さを最大限に生かした脚本が光る「ぎぼむす」からますます目が離せない。

続きを表示

2018年9月4日のニュース