「ブラックペアン」二宮和也の凄さは瞬発力と持久力 当初は不要検討も…渡海の「邪魔」名台詞に

[ 2018年6月24日 08:30 ]

伊與田英徳プロデューサーインタビュー(中)

日曜劇場「ブラックペアン」最終回の1場面。主演を務めた嵐の二宮和也(C)TBS
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 嵐の二宮和也(35)が主演を務めるTBS日曜劇場「ブラックペアン」(日曜後9・00)は24日、15分拡大スペシャルで最終回(第10話)を迎える。ダークヒーローぶりが話題を呼ぶ二宮の魅力と名台詞「邪魔」の秘話を、同局の伊與田英徳プロデューサーが明かした。

 原作は、医師で作家の海堂尊氏の小説「新装版ブラックペアン1988」(講談社文庫)。シリーズ累計150万部を超え、映画化・ドラマ化もされた「チーム・バチスタの栄光」の原点となる人気作。嫉妬渦巻く大学病院を舞台に、医学の限界や大きな権力に立ち向かう男たちの生き様を熱く描く。

 二宮は傲慢な性格と言動で「オペ室の悪魔」と呼ばれ、ヒラ医局員だが、手術成功率100%を誇る孤高の天才外科医・渡海征司郎を“怪演”。新境地を開拓した。

 伊與田氏にとっては、2016年度「東京ドラマアウォード」作品賞グランプリ(単発ドラマ部門)などに輝いた「赤めだか」(15年12月放送)に続く二宮とのタッグ。今回は「二宮君に悪役というイメージが全くない中、もちろんできると思ってオファーしたんですが、これほどとは」と舌を巻き「スーパーアイドルですが、役者になるために生まれてきた人と思えるぐらいの才能」と褒めちぎった。

 二宮の凄さは「瞬発力」と「持久力」を兼ね備えていることだと分析。「『赤めだか』の時もそうでしたが、一言のセリフでもリアルに表現してくれる」と瞬発力の事例として「邪魔」を挙げた。

 「邪魔」は道をふさぐ相手などに対して発する主人公・渡海の口癖。周囲との軋轢を生む傲慢な性格と言動の象徴になり、さまざまなパターンの「邪魔」が登場した。文字だけだと単なる暴言だが、二宮の演技により渡海というキャラクターの吸引力の1つに。インターネット上でも「黒ニノ(悪ニノ)」と新たな一面が反響を呼んだ。

 当初、第1話の台本を読んだ時、伊與田氏は「実を言うと『邪魔』というセリフは要らないんじゃないかと思ったんです」と明かす。

 「ぞんざいすぎるんじゃないかと。お医者さんには合わないと思ったので、もう少し知的な言葉に言い換えられないか、脚本の丑尾(健太郎)君とも相談したんですが、丑尾君が『これは是非』と。いざ、やってみると、二宮君が見事に色気のある『邪魔』を生み出してくれました。ちょっと気だるそうでも、ちゃんと相手に刺さる彼独特の言い回し。『邪魔』という一言だけでも、この人は自分のものにしてしまうんだと、第1話のドライ(リハーサル)の時、その瞬発力に驚かされました。最終的には、他のキャストの人も『邪魔』と言いたい、となってしまうほどでした(笑)」

 持久力をいかんなく発揮したのは、毎話7〜10分ほど描かれたオペシーン。収録には毎話2日間を要した。

 「長時間なので、集中力をキープするのは大変。手術着で身動きも取りにくいですし、みんな汗をかいて拭きたくてもメイクさんが大変なので、きっと我慢していたと思うんです。そういう中、二宮君が芝居のテンションを保って現場を引っ張っていってくれました。それを1話分だけじゃなく、10話分やり続ける彼の持久力は素晴らしいと思います」

 最終回は「渡海の本心が見えるシーン」があるといい、注目される。喜怒哀楽、渡海のどのような感情があらわになるのか。二宮の表現に期待が高まる。

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2018年6月24日のニュース