オスカー受賞の辻一弘氏 日本の反応に驚き…凱旋帰国も「オフの日ない」

[ 2018年3月20日 12:39 ]

凱旋会見を行った辻一弘氏
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 第90回米アカデミー賞でメーキャップ&ヘアスタイリング賞を日本人で初めて受賞した辻一弘氏(48)が20日、都内のホテルで凱旋会見を行った。オスカー像とともに、今朝5時に帰国したばかりという辻氏は「驚いています。反応と配給会社の方が凄く良くしてくれて、感謝しています」と照れ笑い。帰国後も「オフの日はない」そうで「早く帰って仕事しないといけない」と続けた。

 辻氏はこれまで多くのハリウッド作品で特殊メークを担当。受賞作「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」では、主演男優賞に輝いたゲイリー・オールドマン(59)をチャーチル元英首相そっくりに仕立てた。オールドマンから企画段階で「あなたが引き受けてくれなかったら、私はこの映画に出ない」と直々にメールで口説かれたという。2012年に映画の世界を離れた身ではあったが、「本人からもってきてくれた仕事だったので、人生に1回あるかないかの仕事だったので受けた」。オールドマンとは映画の撮影が始まった当時、「2人でアカデミー賞を獲れたら2人でリタイアだね」と冗談を言い合っていたと秘話を明かし、実際に2人での受賞は「非常に嬉しかった。オスカーが一番大きな賞なので」と笑顔を見せた。

 米アカデミー賞の候補入りは「もしも昨日が選べたら」(2007年)「マッド・ファット・ワイフ」(08年)に続く3度目。日本人個人の受賞は、14年に名誉賞を受けた宮崎駿監督(77)を除くと、1993年に「ドラキュラ」で衣装デザイン賞を受賞した石岡瑛子氏以来25年ぶりとなる。辻氏は「前の2つのノミネートは映画として大したことなくて期待してなかった」とぶっちゃけつつ、「今回は素晴らしい映画で期待感があって、結果も出せて非常に良かった」と充実の表情。「映画の仕事をしている時は獲れたらいいなと思っていたけど、映画の仕事を去ったら獲れた。複雑な気持ちもあるが、獲れて良かった。人生の経験として獲れたことが良かった」と続けた。

 授賞式は「凄い緊張していた」といい、「呼ばれた瞬間はほとんど覚えていないです。ゲーリーさんだけを見てスピーチ終わらせることだけ考えた」と振り返った。

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2018年3月20日のニュース