坂本龍一 自身のドキュメンタリー公開に笑顔も「とてもじゃないが恥ずかしい」

[ 2017年11月4日 16:16 ]

ドキュメンタリー映画「Sakamoto Ryuichi:CODA」の初日舞台あいさつを行った坂本龍一とスティーブン・ノムラ・シブル監督
Photo By スポニチ

 音楽家の坂本龍一(65)が4日、自身のドキュメンタリー映画「Ryuichi Sakamoto:CODA」(監督スティーブン・ノムラ・シブル監督)が封切られた東京・角川シネマ有楽町で初日舞台あいさつを行った。

 2012年に坂本が中心となった脱原発のイベント「NO NUKES」にシブル監督が参加したのをきっかけに、密着取材をオファー。坂本サイドから「坂本を通して、激動の日本の社会を撮ってほしい」という要望を受けて企画がスタートし、当初はテレビ番組として制作する予定だった。

 だが、シブル監督が「坂本さんが、どういう音楽を作っていくのかという興味に変わり、3年計画になった」と説明。その後、14年に新アルバムを発表する予定だった坂本が咽頭がんの治療に入ったこともあり、結果、5年を費やしてこの日が世界で初の一般公開となった。

 坂本が映画に初出演し初めて音楽も手掛けた「戦場のメリークリスマス」や、ベルナルド・ベルトルッチ監督に急きょ中国に呼ばれ「ラスト・エンペラー」の音楽を作ったエピソードなども挿入。その“戦メリ”以来、34年ぶりの初日舞台挨拶となった坂本は、「おめでとう。僕はただ撮られていただけで、ひとえに監督以下スタッフの努力のたまもの」と、シブル監督の労を称えた。

 闘病中のプライベートな映像もあり、「見たけれど、とてもじゃないが正視はできない。自分の姿は恥ずかしくて客観的には見られない。僕は自分をさらすような露出狂ではない」と苦笑い。それでも、「余計な説明がなく、説教くさくないのがいい。全国、世界に広がるとうれしい」と期待を寄せていた。

続きを表示

この記事のフォト

2017年11月4日のニュース