秋元康劇団「$4.50」プレ公演 9割が演技経験ゼロも素人感覆す熱演

[ 2017年11月4日 06:00 ]

熱量の大きい演技を見せる$4.50の劇団員たち
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 秋元康氏(59)がプロデュースする劇団「$4.50(4ドル50セント)」が3日、東京・青山スパイラルホールでプレ公演を行った。約1年前のオーディションから初公演に至るまでの自分たちを、劇団員30人がそれぞれ本人役で熱演。上演前に円陣を組み、終演後には涙を流して歓喜した。

 まるでドキュメンタリーだ。オーディションのシーンで、國森桜(18)は「センターになりたい。でも高校1年の時にいじめにあって目立つのは怖い。自分でも分からない。それが今の私です」と叫んだ。実際に昨年10月の最終オーディションで訴えたことだ。

 劇団発足時からの熱量を知ってもらう狙いで、秋元氏がフェイクドキュメンタリー風の舞台を発案した。劇団員30人のうち9割が演技経験ゼロ。素人集団に秋元氏が期待しているのは、ダサいまでの熱さで「まとまりのない未完成なプロセスを楽しんでいる」と、プレ公演に完成度の高さは求めなかった。

 稽古も球児並みの熱さだった。この1カ月間、朝から晩まで「汗と涙が100リットル出た」(福島雪菜)というほど。自分を追い込みすぎて、酸欠で倒れる団員も続出した。

 プレ公演を興行として成功させようと、劇団員が生配信サイトでファンとじかに接し、宣伝活動も行った。当初の閲覧数は200人ほどだったが、熱い思いが届き、最大で1万人に達した。プレ公演は3ステージだったが、計750枚のチケットは5分で完売した。

 円陣では「夢を見たけりゃ、目を開けろ」と絶叫。植木職人のうえきやサトシ(27)は「熱を届けていきたい」と意気込んだ。30人が、熱さ全開の初陣となった。

 ▼松浦勝人エグゼクティブプロデューサー 演技経験がほとんどない劇団員が汗をかき、涙を流して稽古を積んできました。それぞれの夢に向かって、純粋に努力を続ける彼らの熱量がお客さんにどこまで届くか、非常に楽しみです。

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