中村獅童、肺腺がんから舞台復帰へ 完全復活に意気込み「体調はいい」

[ 2017年7月28日 14:09 ]

平成29年度秋季公演「松竹大歌舞伎」製作発表に出席した中村獅童
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 今年5月に肺腺がんを患っていることを発表した歌舞伎俳優の中村獅童(44)が28日、都内のホテルで行われた11月の「松竹大歌舞伎」製作発表に出席。6月に切除手術を受け、退院した獅童にとって退院後、初の公の場。同公演で舞台復帰を果たす。

 全国各地を巡演する公演で、演目は「義経千本桜すし屋」「釣女」を上演。獅童は「すし屋」でいがみの権太を初役で務める。獅童は「体調の方も順調に回復しており、予定通り、秋の巡業を務めさせていただきます。この役を演じさせてもらうのは感慨深い。獅童らしい権太を務めさせていただきたい」とあいさつした。

 現在の体調を聞かれ、「体調はいいんです」とキッパリ。「今は毎日スポーツジムに行って、身体のケア、柔軟とか走ったりとか、トレーニングによって体力を戻しています。手術で体力は落ちてしまったんですが、7、8割は戻ってきた。身体にいいというこで、にんじんジュースを2リットル近く飲んでいます」と笑顔。「普通に生活していたんですけど、ここ1週間で咳がようやく収まった。今まで以上に元気よく、完全復活したい。そのために、あと2割、トレーニングしていきたい」と完全復活に力を込めた。

 舞台の降板は「ファンの方を裏切ることにもなるので、非常に苦しいことでもありました」と思いを吐露しつつ、「しっかりと病気を克服して、今まで以上に、舞台にいいお役を演じる、いい芝居をすることがすべてだと思っている。ファンの方に喜んでいただける舞台になれば」と話した。

 休暇中は「あまり焦ってもしょうがないので、なるべく芝居のことは考えないようにしていた。でも、気づくと、芝居のことを考えていた」と振り返った獅童。それ以外には「毎日毎日を生きていることに意味があるんだと思う」としみじみ感じたといい、「すべての経験を1つ1つ表現につなげていくのが役者」と前を向く。さらには「暇なので、週刊誌とかスポーツ紙とかにどうやって書いてあるんだろうって、全部見ました。途中で咳き込むこともできないので、咳待ちだった。もっと悪い病気なんじゃないかと書かれている週刊誌もありましたけど、面白く読ませていただきました」と報道陣を笑わせた。

 「松竹大歌舞伎」は11月1日の新潟県民会館を皮切りに、同26日の千葉県文化会館まで20都市全31回公演で行われる。今回は妻の沙織さんの出身地でもある岐阜県での公演があるが、「リハビリで岐阜に入ったりもして、親切にしていただいた。今回も行くのは楽しみにしています」と話した。

 獅童は5月、定期健診の人間ドックで肺腺がんの疑いがあることが発覚。再検査の結果、右肺にステージ1A(3センチ以下)の腫瘍が見つかった。病気公表に伴い、6月の福岡・博多座、7月の東京・歌舞伎座での公演への出演を取りやめることを発表。5月末に入院し、6月に切除手術を受け、その後、退院。体力の回復を図るとともに、舞台に必要な声量を取り戻すためのリハビリに励み、8月以降の舞台復帰を目指していた。

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