大竹しのぶ 紅白出場オファーは発表2日前「カレー食べるスプーン止まった」

[ 2017年1月22日 11:45 ]

大人の魅力 大竹しのぶ(上)

笑顔でインタビューに答える大竹しのぶ
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 大竹しのぶ(59)の歌が凄い。聴く者の心を一瞬で別の世界へ引き込む力がある。言わずと知れた天才女優。この人にとって歌うこと、音楽活動とは一体何なのだろう。芝居とはひと味違う、その魅力を聞いてみた。

 昨年のNHK「紅白歌合戦」での「愛の讃歌」は、ご記憶の方も多いだろう。フランスの国民的シャンソン歌手エディット・ピアフが、飛行機事故で亡くなった恋人のために作った歌とも言われた。大竹はステージ上でまるで祈りを込めるように歌い上げた。

 「昔だったら自分の悲しい経験やつらかったことを思い出しながら歌ったんでしょうけど、今はもう少し世界が大きく見えるようになりました。神様と結びつくような、神様の下で生きる喜びというような気持ちですかね」

 歌手ならば誰しも一度は出場したいと夢みる憧れの舞台。初出場。それも女優。自身の公演で過去3度ピアフを演じてはいるものの、相当なプレッシャーがあったはずだ。

 「それが不思議とほとんど緊張しなかったんです。紅白は特別な番組ということはもちろん分かっていました。硬くならずにすんだのは、私の与えられた使命というか目的を果たすことだけを考えていたからかもしれません」

 この名曲を通してしっかりとメッセージを伝えたい。「たとえ幾たびも心が折れるようなことがあっても愛を信じて強く生きてほしい」。それはピアフの思いでもあり、この人の願いでもある。全国のテレビの前の一人一人に届けたい、その一心だった。

 「歌手ではない私が本当に出てもいいのだろうか。何で私が選ばれたのだろう?」。最初はどこか気後れする自分がいたことも確か。NHKからオファーを受けたのは、昨年11月22日。出場歌手が正式発表されたわずか2日前のことだった。東京・新橋演舞場で舞台「三婆(さんばば)」に出演中。昼の部を終え、楽屋で夜の芝居に向け、カレーライスで腹ごしらえをしていた時だった。関係者から「紅白歌合戦の出場依頼が来ました」と知らされた瞬間だけ、持っていたスプーンの動きが止まった。

 公演終了後、12月に入り連日ボイストレーニングに励んだ。「自分を選んでくれた人たちの思いも大切にしなければ」と感じていた。繰り返し繰り返しレッスンするたびに、自分の果たすべきことがはっきりと見えてきた。そして、当日。母親を心配したIMALU(27)がステージ横で見守っていた。

 「“こんなことはもう二度とないんだから。しっかりね”と言ってる娘の方がガチガチになってましたね。私は“あぁ、終わった”んだ。あっという間の感じでした」

 ◆大竹 しのぶ(おおたけ・しのぶ)1957年(昭32)7月17日生まれ、東京都出身の59歳。桐朋学園短期大学部演劇専攻科中退。73年、ドラマ「ボクは女学生」でデビュー。映画「青春の門(筑豊編)」、NHK朝の連続テレビ小説「水色の時」のヒロインで注目された。その後、ドラマ「男女7人夏物語」、映画「一枚のハガキ」など多数の話題作に出演。

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