「爆笑ヒットパレード」50年続く理由 お笑いの紅白 空気作りに腐心

[ 2016年12月25日 09:00 ]

フジテレビ・藪木健太郎ゼネラルプロデューサーに聞く(上)

元旦の風物詩「爆笑ヒットパレード」は来年50周年。MCは今回もナインティナインが務める(C)フジテレビ
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 日本の元旦を飾る風物詩、フジテレビの新春ネタ番組「爆笑ヒットパレード」は来年1月1日、1968年の番組スタート以来、放送50周年を迎える。なぜ半世紀も続いたのか。演出を兼ねる藪木健太郎ゼネラルプロデューサーに番組作りへの思いを聞いた。

 来年は「祝50周年記念!初詣!!爆笑ヒットパレード2017」と題し、4部構成。お笑いコンビ「ナインティナイン」がMCを務める。

 第1部「爆笑ネタパレード」(前7・00〜9・52)はベテランから若手まで豪華芸人が珠玉のネタを披露。第2部「俺のヒットパレード」(後0・00〜1・50)は今田耕司(50)が進行を務め、ネクストブレーク芸人を見いだす。第3部「ENKAIGEIグランドスラム」(後1・50〜3・30)は同局ネタ番組「ENGEIグランドスラム」のパロディー版。宴会芸に自信を持つ芸人が次々と登場する。「中継企画」は2016年に“騒動”を起こした芸能人が17年の出直しを誓い、書き初めを行う。

 第4部「爆笑ヒットパレード!祝50周年 これを見れば日本の演芸すべてわかる。今日しか見られない!?超貴重!映像大解禁&伝説芸人大集合SP!!」(後6・00〜9・00)はゴールデンタイムに放送。タイトル通り、時代を彩った名作ネタや恒例の爆笑中継など、貴重映像を大放出。現役人気芸人による最新ネタも披露され、先人たちとの笑いが融合する。

 −17年の「爆笑ヒットパレード」の見どころはどこですか?

 「50周年を意識しています。今回、先輩たちにいろいろと話を聞いたんですが『日本のお正月を笑いで始める、めでたい番組』というのが、50年前に始まった頃のコンセプト。番組名に『初詣』と付いているのも『初詣で行くような気持ちで、テレビの前でお正月を過ごしていただきたい』という思いから。午前中の第1部は、その気持ちをあらためて大事にしたいと思います。ゴールデンタイムの第4部は50周年というものにどっぷり浸り、ここでしか見られない秘蔵映像で、『爆笑ヒットパレード』の歴史を初めて振り返ります。17年の元日をうまく彩れたらいいと思っています」

 藪木氏は95年に入社し、照明部に配属。照明マンとして入社1年目の96年1月1日から「爆笑ヒットパレード」に携わり続けている。02年、バラエティー制作部に異動。「笑う犬の情熱」「ネプリーグ」などのディレクター、「爆笑レッドカーペット」「爆笑レッドシアター」では演出を務め、近年は「ENGEIグランドスラム」「THE MANZAI プレミアムマスターズ」「笑わせたもん勝ちトーナメントKYO−ICHI」などの演出・チーフプロデューサーを担当。「爆笑ヒットパレード」は06年から演出、ここ5年ほど演出とチーフプロデューサーを兼ねている。

 −毎年「爆笑ヒットパレード」を演出・プロデュースするにあたり、心掛けていることは何ですか?

 「僕はネタ番組を受け持つことが多く、演芸というジャンルに、テレビとしての責任感があるんです。『爆笑ヒットパレード』に出れば、芸人さんはその1年、どこに行っても顔がさされるというようなことが言われている歴史ある番組なので、そこを任されているんだという自覚の下、取り組んでいます。よく上司だった吉田正樹(「夢で逢えたら」ディレクター、「笑う犬」プロデュース、「トリビアの泉」制作など数々の番組を担当)に教わったのが『ここは“お笑いの紅白”じゃないといけない』ということです。その1年、漫才やコントで自分たちの価値を上げた人たちが出る番組だと思っています」

 −具体的にはどのように演出するのですか?

 「賞レースのような“ここで生きるか死ぬか”みたいな空気とは違い、いかにお正月の空気を作れるか。例えば『ENGEIグランドスラム』だと『周りを見たら、負けられないぞ』という空気を作るのが僕の仕事。ライバル心を煽ってピリッとした空気を作ったり、「ここは全力を出して取り組まないとマズイぞ!でも出続けたいな」という空気を作ったりします。それに対して『爆笑ヒットパレード』に関しては、いかに楽しく、賑々しい空気を作れるか。僕は毎年『今年も笑いのお年玉ありがとうございます』と芸人さんをお出迎えします。感謝の思いはきちんと言葉としてお伝えして、芸人さんには『任せとけ!』というような感じで乗ってネタをやっていただきたい。スタジオの空気を最善にして、それが少しでもお茶の間に伝わるようにしたいと思っています。そして、1月1日じゃないと成立しない番組を作らないといけない。1月3日に放送してもいいような番組だとダメだし、意味がない。ネタをやる芸人さんも、MCも、スタジオのお客さんも、中継の街も、どこが映っても正月の空気があふれているものを作らないと。こんなことができるのは1年に1回だけという思いで作っています」

 −50年間続いた理由はどう分析しますか?

 「お正月の空気とマッチしていたからじゃないでしょうか。作る側と受け取る側の空気と合っていたからこそ、みんなの原風景になっているというか。例えば、お正月の一家団らんの絵を描きましょうと言われた時、だいたい、テレビにはネタ番組が映っている感じがするじゃないですか。50年も続けば、ちょっとした文化。そこまで行けるぐらい、毎年いい空気を送り届けられてきたんじゃないでしょうか。だからこそ『お正月といえば』の風物詩になれたんだと思います」

 =インタビュー(下)は後日配信予定=

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