唐沢寿明、リトアニアで感涙…主演映画舞台で感じた「誇り」

[ 2015年10月22日 08:25 ]

リトアニアのカウナスで、現在は杉原記念館となっている旧日本領事館を訪問した唐沢寿明と小雪

 第2次世界大戦中に、東欧リトアニアでビザを発給しユダヤ人を救った外交官、杉原千畝さんを描く映画「杉原千畝 スギハラチウネ」(監督チェリン・グラック)のワールドプレミアが、同国第2の都市カウナスで行われ、主演の唐沢寿明(52)と小雪(38)が参加した。同市から名誉観光大使就任を要請されるなど大歓迎ムード。2人は千畝さんゆかりの地も巡った。

 千畝さんがカウナス市の日本領事館に赴任した1939年に建設された映画館「ロムヴァ」は、通路に立ち見が出るほど大盛況。上映後には「ブラボー!」と称賛の声が飛び、観客500人が5分間のスタンディングオベーション。ハンカチで涙を拭う人もいた。唐沢も目を潤ませ、「こんなに多くの方に見ていただけて、日本人としてあらためて千畝さんを誇りに思います」と感激の面持ちであいさつした。

 客席には千畝さんの四男・杉原伸生さん(66)や、長男・弘樹さんの妻・美智さん(77)ら親族の姿もあった。

 同市は1919年から39年まで臨時首都だった。千畝さんは、ナチスに迫害され日本領事館に助けを求めたユダヤ人約6000人に独断で日本通過ビザを発給。リトアニアでは中学校の教科書でこの“命のビザ”を取り上げており、千畝さんの知名度が高い。そのため市では、唐沢と小雪に名誉観光大使就任を要請することを決め、劇場のステージでオファー。唐沢は「うれしいこと」と喜び、小雪も「光栄です」と笑顔で話した。

 撮影は隣国のポーランドで行われ、唐沢らがリトアニアを訪れるのは初めて。現在は杉原記念館となっている旧日本領事館や、領事館を閉鎖した後に千畝さんがビザを発給し続け、今年9月に記念プレートが設置されたホテルメトロポリスなどを巡った。唐沢は「ここでやっていたんだと感動した。より身近に感じることができました」としみじみ。小雪は「千畝さんの功績をあらためて感じられました」と語った。
 
 戦後70年の節目の年。12月5日の公開に向け、唐沢は「犠牲を払い、たくさんの人を救った凄く誇れる人。映画をきっかけにもっと多くの人に知ってほしい」と力を込めた。

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2015年10月22日のニュース