渡辺謙 トニー賞主演男優賞受賞ならず…「王様と私」は4冠

[ 2015年6月8日 11:43 ]

トニー賞の授賞式に出席した渡辺謙(AP)

 米演劇界最高の栄誉「第69回トニー賞」の授賞式が7日夜(日本時間8日午前)、ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで開かれ、「王様と私」でミュージカル部門主演男優賞にノミネートされた渡辺謙(55)は受賞を逃した。日本人俳優として初の快挙はならなかった。同賞は「ファン・ホーム」のマイケル・セルヴェリス(55)が受賞した。「王様と私」はミュージカル部門リバイバル作品賞、ミュージカル部門主演女優賞(ケリー・オハラ)、ミュージカル部門助演女優賞(ルーシー・アン・マイルズ)、ミュージカル衣装デザイン賞の4冠に輝いた。

 日本人のトニー賞ノミネートは、2012年の石岡瑛子さん(衣装デザイン賞)以来3年ぶり。俳優としては1976年「太平洋序曲」の佐藤功(助演男優賞)以来39年ぶりだった。日本人の受賞歴としては、13年に川名康浩さんがプロデューサーの1人として参加した「キンキーブーツ」がミュージカル部門の作品賞を獲得したことがある。
 
 ブロードウェーミュージカル「王様と私」は「全米芸術の聖地」と言われるリンカーンセンターのビビアンビューモント劇場で上演されている大型作品。プレビュー公演は今年3月12日、本公演は4月16日に始まった。渡辺はタイの王様役を演じている。

 渡辺の英語力に批判的な論調の米メディアもあるが、作品自体の評価は好意的。今回は、相手役の女優ケリー・オハラ(39)のミュージカル主演女優賞をはじめ、ミュージカル・リバイバル作品賞、ミュージカル助演女優賞(ルーシー・アン・マイルズ)ミュージカル演出賞(バートレット・シャー)ミュージカル装置デザイン賞(マイケル・ヤーガン)、ミュージカル衣装デザイン賞(キャサリン・ズーバー)ミュージカル照明デザイン賞(ドナルド・ホールダー)振付賞(クリストファー・ガテリ)の計9部門で候補に選ばれた。

 4月29日の記者会見で、渡辺は「これから先は狙ってゴールを切れるものではない。ショーに真正面から真摯に向き合うことしか自分にはできない」などと語っていた。

 ▼「王様と私」 1860年代のバンコクで、王様が王子らの教育係として招いた英国人のアンナと敵対しながら心を通わせる物語。オスカー・ハマースタイン2世が脚本を執筆、リチャード・ロジャースが作曲したミュージカルが、1951年にユル・ブリナー主演で初演され、映画化もされた。王様とアンナが2人で踊る「シャル・ウィ・ダンス」で知られる。

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2015年6月8日のニュース