日テレ3冠奪回のワケ(1)日曜夜に強力レギュラー番組並べ他局圧倒

[ 2014年12月30日 08:30 ]

日本テレビの年間視聴率3冠を支えた「笑点」のメンバー(左)「世界の果てまでイッテQ!」からイモトアヤコ(右上)「行列のできる法律相談所」から大渕愛子弁護士(右下)

日テレ年間視聴率3冠「視聴率を読む」(1)

 日本テレビが2014年の年間視聴率で「3冠」を達成。2012年からテレビ朝日との激しいデッドヒートが続いていたが、3年ぶりに王座に返り咲いた。日テレの勝因を探る「視聴率を読む」。第1回は日曜夕から夜の絶好調バラエティー番組。(数字はビデオリサーチ調べ、関東地区)

 日テレの2014年の年間視聴率はゴールデン(午後7~10時)12・6%、プライム(同7~11時)12・5%、全日(午前6時~翌日午前0時)8・4%。各時間帯でNHK・民放を通じて首位となり、11年以来の「3冠」を奪回した。

 13年はともにテレ朝の後塵を拝して2位だったゴールデンが12・0%→12・6%、プライムが11・9%→12・5%とアップした。

 日テレ編成部が「この1年はそれぞれのレギュラー番組が本当に頑張りました」とコメントした通り、レギュラー番組の好調さが目立った。

 特に、日曜夕から夜は圧倒的。「笑点」(後5・30)「真相報道バンキシャ!」(後6・00)「ザ!鉄腕!DASH!!」(後7・00)「世界の果てまでイッテQ!」(後7・58)「行列のできる法律相談所」(後9・00)「おしゃれイズム」(後10・00)「有吉反省会」(後10・30)が軒並み2ケタを記録。時には20%前後の高視聴率が続いた「サンデーナイト」に、他局は歯が立たなかった。

 顕著だったのは11月30日。「笑点」=21・6%「真相報道バンキシャ!」=15・4%「ザ!鉄腕!DASH!!」=20・7%「世界の果てまでイッテQ!」=21・2%「行列のできる法律相談所」=18・0%「おしゃれイズム」=12・8%「有吉反省会」=10・7%。3番組が“大台”を超えた。

 10月5日には「笑点」が過去3年間で最高の23・3%を記録。女性お笑いコンビ「日本エレキテル連合」が演芸コーナーに登場した。9月28日には「ザ!鉄腕!DASH!!3時間スペシャル」が番組歴代2位の24・0%。「DASH島 無人島を開拓できるか!?」がテーマだった。
 
 この健闘ぶりから、4月期と10月期の改編は、ほぼ“据え置き”。視聴習慣をつくるため、レギュラー番組を強化した戦略が実を結び、10月期の改編会見で、八木元編成部担当部次長は「バラエティーの制作現場が自助努力で視聴率を盛り返している」と好調の要因を挙げた。

 日曜夕から夜の他局の動向はどうか。テレビ朝日は午後6時半の枠を10月から「奇跡の地球物語~近未来創造サイエンス」→「坂上忍の成長マン!!」に、午後7時台の枠を10月から「シルシルミシルさんデー」→「オドロキ見たいテレビ びっくりぃむ」に変更した。

 TBSは22年間続いた「さんまのスーパーからくりTV」(後7・00)を9月で終了。10月から「不思議探求バラエティー ザ・世界ワンダーX」をスタートさせた。

 フジテレビは10月から午後8時台に「クイズ30~団結せよ!~」→「ニュースな晩餐会」、午後9時台に「ワンダフルライフ」→「オモクリ監督~O―Creator’s TV show~」と新番組を投入した。

 しかし、上記新番組は視聴率1ケタにとどまることが多く、各局とも大きな成果は上がっていない。しばらくは「サンデー日テレ」の独り勝ちが続きそうだ。

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