栩内被告、保釈へ 地裁“ASKAと接触→証拠隠滅の恐れなし”

[ 2014年10月9日 05:45 ]

栩内香澄美被告=5月撮影

 覚せい剤を使用したとして、歌手ASKA(56)とともに覚せい剤取締法違反罪で逮捕・起訴された愛人の栩内(とちない)香澄美被告(37)について、東京地裁は8日、保釈を認める決定をした。保釈保証金は300万円。検察はこれを不服として東京高裁に抗告した。

 栩内被告は2日の第3回公判で「真実を貫きたい」とあらためて無罪を主張。検察側と全面的に争っているが、公判はこれまで弁護側の被告人質問の一部まで進み、栩内被告の主張はほぼ出きったため、東京地裁は「証拠隠滅の恐れがない」と判断したとみられる。

 栩内被告は2日の公判で、ASKAが自身の知らない間に覚せい剤を体内に入れてきた可能性を主張。保釈されれば、ASKAと接触して口裏合わせをする可能性も出てくるが、検察側はすでにASKAの証人申請を見送っており、保釈後に両者が接触したとしても公判に影響はなさそうだ。

 一方、検察側は、一貫して無罪を主張する栩内被告に反省の態度はなく、逃走、証拠隠滅する可能性があるとして保釈決定に反対している。ただ、法曹関係者によると、抗告は退けられる可能性が高く、9日にも身柄が釈放される見通し。ASKAとの逢瀬(おうせ)を重ねた東京・南青山の自宅マンションに戻るのか注目される。

 公判ではこれまで、栩内被告の尿や毛髪を鑑定した科学捜査研究所(科捜研)の鑑定士による証人尋問が行われ、鑑定自体が誤りだったとする栩内被告の主張が否定された。次回公判は21日。弁護側の被告人質問の続きと、検察側の被告人質問が行われる予定だ。

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