ノーベル賞中村氏ドキュメントドラマ テレ東が急きょ10日放送

[ 2014年10月9日 17:57 ]

研究者・中村修二(松村雄基・右)は小川信雄・日亜化学工業社長(梅宮辰夫)に後押しされ、青色発光ダイオードの開発を目指す(C)テレビ東京

 次世代照明に使われる青色の発光ダイオード(LED)を開発した中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(60)が今年のノーベル物理学賞に輝いたことを受け、テレビ東京は10日、中村氏の発明をドキュメンタリードラマとして紹介した「緊急編成!池上彰がノーベル賞・中村修二に迫るドラマ“ルビコンの決断”」(後1・35~3・30)を急きょ放送する。

 2009年7月30日、8月6日にオンエアされた作品を再編集。メーンナビゲーターは木村佳乃(38)。スタジオ部分とドラマ部分があり、解説の池上彰氏(64)とゲストの中村氏が対談する。

 ドラマ部分は語り・白井晃(57)。松村雄基(50)が中村氏、梅宮辰夫(76)が小川信雄・日亜化学工業社長を演じた。

 従来の電球とは異なり、電気を通すと発熱することなく、それ自体が発光する発光ダイオード。寿命は半永久的、消費電力も低く、21世紀のエコ社会には欠かせないものだが、光の三原色のうち赤色、緑色は実用化されたものの、青色だけが成功せず。世界中の研究者がその開発に挑んでいた。

 1993年、世紀の発明、青色発光ダイオードの開発に成功した徳島の研究者・中村修二。しかし退社後、発光ダイオードを製造するのに必要な機械の特許について、元勤務先の日亜化学工業と裁判で争うことになる。

 2004年、一審の判決は中村の言い分を認めた“会社は中村に200億円支払え”というもの。しかし、会社側の控訴を受けた高裁は6億円の和解案を示した。納得がいかない中村は悩んだ末、ある決断を下す…。

 7日(日本時間8日)、米国の大学で記者会見した中村氏は何を励みに研究に取り組んでいるかと問われ「アンガー(怒り)だ。今も時々怒り、それがやる気になっている」と答えた。特許権や対価をめぐり、勤務先だった日亜化学工業(徳島県)と法廷闘争を繰り広げた経緯に触れ「怒りがなければ、今日の私はなかった」とユーモア交じりに話していた。

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