吉田羊 タイプはピース又吉!天性の女優は「結婚後も続けたい」

[ 2014年8月25日 08:13 ]

結婚観を語った吉田羊

吉田羊インタビュー(下)

 SMAPの木村拓哉(41)が主演を務め、13年ぶりに復活したフジテレビ「HERO」(月曜後9・00)の新メンバーとして注目を集める吉田羊(よう)。その性格は「自信のない目立ちたがり屋」。役があれば自信が出るという“天性の、根っからの女優”だった。クールな検事・馬場礼子役とは対照的に、本人は三枚目。それは2007年11月からほぼ毎日続く現在のブログにも顔を出す。「女優・吉田羊もちゃんと愛してくれる人がいい」と結婚観も語った。

 今年6月11日付のエントリー。タイトルは「ご報告」。ブログを目にし、ドキッとしたファンも多かったに違いない。「HERO」の役作りのため、11年ぶりにショートヘアにしていたことを報告したのだが「あ、大丈夫。結婚しません、まだ(笑)」の文面もあった。

 「今すぐにしたいとは思っていないですけど、結婚願望がゼロではないので、ピピッとと来る方がいたら、すぐに結婚しないまでも、それを前提にお付き合いできたらいいなと思っています。結婚後も仕事は続けたいですね。続けていいよっていう方がいいですし。女優・吉田羊もちゃんと愛してくれる人がいいなっていうのはあります」

 好きなタイプには、読書家として知られるお笑いコンビ「ピース」又吉直樹(34)の名前を挙げる。

 「言葉が豊富な方が好きなんです。自分が毎日ブログを書いていて、いかに相手に届く言葉をチョイスするか、いつも考えるので。自分の知らない言葉を持っていたり、表現の引き出しを持っている方は素敵だなと惹かれますね。又吉さんはすごく物知りだけども、それをひけらかさないので。あちこちで又吉さんって言っているので、いつか対談するんじゃないかと思ってますけど(笑)」

 気が強く“デキる女”の役柄とはギャップがあるブログが楽しい。謎かけをやり「Wコロン」のねづっち(39)にならぬ「ひつ(羊)っちです」と自称したり「来週もまた、視てくださいねー!んがっぷっぷ」と「サザエさん」になったり。時折飛び出すギャグやダジャレに「見てくださる方もある程度の年齢層の方が多いんですよ。今どきのネット用語を使うよりも、昭和のギャグを入れた方が読者の方も『ププ』ってなるんです。基本、三枚目ですよ、私」と笑った。

 2001年、劇団「東京スウィカ」を旗揚げ。ターニングポイントは08年に訪れた。NHK連続テレビ小説「瞳」(同年上半期)に看護師役で出演していた吉田の“後ろ姿”を見た俳優・中井貴一(52)の目に留まる。「この女優は誰?」。中井自ら朝ドラのチーフプロデューサーに直接、電話。その後、中井主演のフジテレビ「風のガーデン」(同年10月期)のプロデューサーから所属事務所に問い合わせが入った。

 「どこの中井さん?って感じでした(笑)。まず、あの中井貴一さんとは思わないので。何かもうフワフワしていましたね、その時は。まさか(電話が)かかってくる人だとは思わないので」

 「風のガーデン」のキャスティングは既に決まっていたため、吉田は「99・9%見つけられないです(笑)」(マネジャー)という“端役”で、あるシーンに出演した。中井との縁は、脚本家・演出家の三谷幸喜氏(53)との出会いにつながる。中井は同年11~12月、三谷氏作・演出による戸田恵子(56)との2人芝居「グッドナイト スリイプタイト」に出演。吉田は東京・PARCO劇場で三谷氏と対面した。

 翌09年3月、閉館する新宿のTHEATER/TOPSで上演された三谷氏の旗揚げ劇団「東京サンシャインボーイズ」の復活公演「returns」に抜テキ。話題作への出演は注目を集め、11年初演、今年再演された三谷氏作・演出の舞台「国民の映画」のキャストに名前を連ねた。

 女優を目指したきっかけを聞くと、演技をするために生まれてきた「天性」を感じる。

 「小さいころからお芝居をマネしてみたり、人前で歌を歌ったりするのは好きだったんですけど。学生の時、就職活動をする年になって、自分は性格的に会社勤めに向かないなと思った時、小さいころから興味のあったことを今こそやってみようと飛び込んだのが小劇場の世界でした。全然、迷わなかったですね。むしろ、やりたいと思ったその時にやりたかったので。養成所に行くとかの頭もなく、今すぐにでも演技がしたいと思った時(情報誌)『ぴあ』に女優の募集広告があったんですよ。それが3カ月後にやる舞台の女優さんを探していますという広告で。できるんだろうかという不安はなくて。できるだろうなと思って応募したんですよ」

 女優の経験はなかった。“根拠のない自信”はどこからきたのか。

 「何でしょうね(笑)。分かんないですよね。でも演じることが好きだったんです、とにかく。でも、もしダメだったら、それは相手が決めることで、私ができないとあきらめて最初からやらないというのはもったいない。向いていないと言われれば、やめようと思っていましたけど。絶対、向いていると思っていましたから」

 「高校3年生の時、うち女子高だったんですけど、体育祭があったんですよ。そこで4ブロックに分かれて応援合戦がありました。私は黄色ブロックの応援団長をやったんですね。その時『吉田先輩、カッコいい』とか後輩から慕われたりして。身内以外の人が自分がいることを喜んでくれたり、同性に慕われるという体験がすごくうれしかったんですよね。人前で何かパフォーマンスをして、他人に評価されるということって、どこか女優につながるところがありますよね。今思えば、あれが原体験だったかなというのはあります」

 「基本的に、私は小さいころから『自信のない目立ちたがり屋』という面倒くさい性格なんですよ。基本は自分に自信のない人間なんですね。でも、それが役を演じることで、前を向いて立っていられる部分があるんです。バラエティーとかでも、吉田羊としてそこに居てくださいと言われると、どこか恥ずかしいんですよ。『私なんか見ないでください』ってなっちゃうんです。でも、そこに1つ、役のフィルターがかかることで、自信持ってそこに立てるんです。私にとっての女優というのは、そういうものなんですよ」

 “女優が向いている”というよりも“女優しかない”――。そうとすら思えてくる。

 「そうかもしれないですね(笑)。今回の礼子さんもそうなんですけど『羊ちゃん、すごいね』って言ってくださる方もいるんですけど、私自身は全然すごくないですよ。ただ役が魅力的なだけなんで。私は役に、私なりに考えた息を吹き込むだけの作業なんで。私は役に生かされているなというのを感じます。女優をやっていない自分というのは、あまり想像つかないですよね。(女優をやっていないとしたら)敢えて言うなら、花が好きなので、花屋さんとかフラワーアレンジメントをやっているんじゃないですかね」

 ◆吉田 羊(よしだ・よう)2月3日、福岡県生まれ。2001年、劇団「東京スウィカ」を旗揚げ。07年、フジテレビ「愛の迷宮」でドラマデビュー。その後、11年のNHK大河ドラマ「江」12年度のNHK連続テレビ小説「純と愛」などに出演した。映画は出演作「魔女の宅急便」「六月燈の三姉妹」「幕末高校生」が今年公開。舞台は三谷幸喜氏作・演出「returns」(09年)「国民の映画」(11年初演、今年再演)などに出演した。現在、NHK Eテレ「SWITCHインタビュー達人達」(土曜後10・00)のナレーションを担当。趣味はアンティーク着物、スキューバダイビング。特技はピアノ。

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