東映、新たな看板は“芸術路線” 第1弾は「エレニの帰郷」

[ 2013年9月18日 07:47 ]

芸術路線ぶち上げを明かす東映の岡田社長

 任侠映画や「仁義なき戦い」に代表される実録路線、最近では「仮面ライダー」「プリキュア」などの子供番組を看板に時代を築いてきた東映が新たに芸術路線に踏み出す。

 その第1弾がギリシャのテオ・アンゲロプロス監督の遺作「エレニの帰郷」に決定。10月17日開幕の東京国際映画祭で同21日にお披露目し、来年1月の三回忌に合わせて一般公開の予定だ。

 「旅芸人の記録」(75年)などで知られるアンゲロプロス監督がアテネで交通事故死したのは昨年1月24日。「エレニの旅」(05年)に始まる「20世紀三部作」完結編を撮影中の出来事だった。

 三部作は未完に終わり、08年に完成した第2部「エレニの帰郷」が遺作となった。日本では公開の機会に恵まれないままきたが、東映の岡田裕介社長(64)が動いた。「アンゲロプロスは英国のデビッド・リーン、黒澤明監督とともに三大映像作家だ。70年代から追いかけて見た」と話し、遺族に交渉して配給権を獲得。「100年たっても残る芸術映画を支援し、路線として充実させたい」と新戦略をアピール。

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