[ 2010年3月15日 06:00 ]

ジーフリート最大の敵ハーゲンを演じるダニエル・スメギ

 さて、ここで今回から新たに登場するキャストについて紹介しておこう。ヴォータン、ブリュンヒルデ、ジークフリートに続く最後の主役級の人物としてハーゲンが第1幕から重要な役割を果たす。彼はニーベルングの指環の元々の持ち主であるアルベリヒが人間の女性に産ませた息子で、無敵の英雄ジークフリートの前に立ちはだかる最後にして最強の敵となる。総上演時間が正味17時間にも及ぶこの長い作品において最後のセリフを割り当てられているのがハーゲンであることからもこの役の重要度を推し量ることができよう。

演じるのは新国立劇場初登場のダニエル・スメギ。オーストラリア出身のバスで、91年に米国でデビューして以来、メトロポリタン歌劇場、英国ロイヤルオペラ、パリ・オペラ座、ハンブルク州立歌劇場など世界各地の歌劇場で活躍。「セビリアの理髪師」「アイーダ」「ばらの騎士」「サロメ」「さまよえるオランダ人」「タンホイザー」「パルジファル」など80以上のレパートリーを持つ。昨年、米シアトル・オペラでも「リング」に出演している。

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2010年3月15日のニュース