[ 2010年3月15日 06:00 ]

04年にプレミエ上演された際の“トーキョー・リング”~「神々の黄昏」の序幕

 ウォーナーは劇中にさまざまな仕掛けを施しメッセージ性の強いステージを作り上げてきたが、彼が日本の観客・聴衆に訴えようとしたことの根幹が、ついに「神々の黄昏」で明らかにされる。それが何であるかについては、先週「ジークフリート」の公演リポートとして小谷和美さん(TBS・OTTAVA)が核心に肉薄した原稿を書いているので、ぜひ、ご参照いただきたい。

 ウォーナーは3幕の最後に、屋上屋を重ねるような手法で自分が言いたかったことを強調してみせるのだが、04年のブレミエ時には情報量の多さに目を奪われたのか、肝心のメッセージを見失っている人(専門家も含めて)も散見された。プレミエから6年の歳月が経過し、今の私たちにウォーナーの思いはどのように伝わってくるのか。それは、皆さんひとりひとりが劇場に足を運んで確かめていただきたい。従って演出について、これ以上の詳述は行わない。何よりも大切なことは、実際にご覧になってどう感じるかである。

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2010年3月15日のニュース