巨人・戸郷 投手2冠見えた!11勝で阪神・青柳にあと1、11Kで奪三振はトップ独走

[ 2022年8月26日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人2―1中日 ( 2022年8月25日    東京D )

<巨・中>11勝目を挙げた戸郷(撮影・白鳥 佳樹)
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 巨人の戸郷翔征投手(22)が25日、中日戦に先発し、8回を6安打1失点に抑えて11勝目を挙げた。初回先頭からの6者連続を含む11三振を奪い、チームを3カードぶりの勝ち越しに導いた。シーズン123三振はリーグ1位を独走し、勝利数も同1位の阪神・青柳晃洋投手(28)に1差。自身初の2桁勝利を達成した今季、プロ4年目で初となる最多勝のタイトルを視界に捉えた。

 今年の投球テーマは「一旦(いったん)、落ち着く」。戸郷は一喜一憂せず、淡々と右腕を振り続けた。初回先頭から6者連続三振も3回先頭の土田に右足膝付近に当たる強襲安打を許す。それでも冷静だった。

 「何個までいけるか挑戦したかった。三振を狙ったら、足に当たったので真面目に投げようと思いました」

 ここから自身の悪送球も絡み無死満塁となったが、ズルズルいかないのが今年の背番号20。切り替えた。「気持ちが上ずっちゃうと浮いちゃう。そこは一旦、落ち着いて投げることを意識している」。岡林をフォークで空振り三振に斬ると、溝脇の投ゴロは一度ファンブルするも冷静に本塁へ送球してフォースアウト。続く阿部もフォークで空振り三振で得点を許さなかった。2―1の6回1死満塁も福田と土田の後続を斬る。この試合で満塁で対戦した打者5人全てに初球ストライク。昨年は被打率・421だった満塁が今季は・143。気持ちの整理ができている証拠だ。

 マウンドでも普段着の姿を貫く。特技は「野球」ではなく「釣り」。「野球を特技だと思ったことがない。生活の一環だと思っているので。飯食うのと同じ」とまで言う。普通に生活している中の一部だからこそ「結果がでなくても“うわー”とか思わない」と言い切る。22歳とは思えない、大人の余裕がそこにはある。冷静な視点は打席でも発揮する。5回1死一、三塁での決勝点は自らのセーフティースクイズ。「自分を助ける打撃は今年はできている」とうなずいた。

 12勝でリーグトップの青柳に迫る11勝目。奪三振は2位に10個差をつける123でトップを独走する。「これからもっと勝ちを挙げていけるように」と戸郷。Bクラスに低迷するチームにおいて、投手2冠を視野に入れる右腕は、希望の光だ。(小野寺 大)

 ▼巨人・原監督(戸郷は)相手に1点しかホームを踏ませなかったのは素晴らしかった。(8回も戸郷)翔征にかけた。見応えのある投手戦だった。

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