阪神・梅野 8回代打V撃で連敗止めた「ホッとする1勝」 虎6月勝ち越しも決めた

[ 2022年6月25日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神6ー4中日 ( 2022年6月24日    甲子園 )

<神・中>8回、阪神・梅野は勝ち越しの適時打を放ちポーズを決める(撮影・平嶋 理子)
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 阪神・梅野隆太郎捕手(31)が24日の中日戦で8年ぶりに代打での打点を挙げ、3連敗からの脱出と4位再浮上へ導いた。同点を許した直後の8回2死満塁で登場し、左前へ決勝打。6月を12勝5敗1分けとし、5試合を残して今季初の月間勝ち越しを決めた。初の3連投で好救援した湯浅京己投手(22)がプロ初勝利を挙げた。

 自分のため、チームのため、そして信じてくれたファンのために振り抜いた。力強く三遊間を抜けていくゴロが、梅野の苦闘に終止符を打つ。待ち続けた虎党、耐えしのんできた背番号2の歓喜が、やっと交錯した。

 「ファーストストライクを思い切っていけた。1打席だと四球がよぎったら、なかなか手が出ない。何とか結果を出したかった」

 4―4の8回2死満塁。清水に対して2球連続で低めの変化球を見極め、3球目のやや浮いたスプリットを捉えた。左前へ決勝の2点打。かみしめるように、塁上でガッツポーズを見せ、最高の笑みがはじけた。

 「(現状は)めちゃくちゃしんどい。半分ぐらい終わったんですかね。出る機会も減っている中で、どうやったら自分にできることがあるか」

 ちょうど折り返しの72試合目。先発マスクの数は坂本31試合、梅野29試合、長坂12試合の順番で併用が続く。シーズン半分を終えて、梅野が先発捕手の数でトップの座を譲るのは6年ぶりだ。開幕から打撃の調子が上向かず「本当に難しい…」と漏らしたこともある。打率1割台、昨季3割超えの得点圏でも振るわず、言葉で表せば「どん底」だった。言い訳や弱音を吐いても意味をなさない世界で、何が物を言うのか分かっている。

 「状態が良いなと思っても、生のボールを見ないと分からない部分もある。だから結果なんです。今は限られた打席かもしれないけど、目の前の打席でとにかく結果を出すこと。出た試合で結果を出してつかんでいくしかない」

 先発を外れても、女房役としてできることをやってきた。若手投手が早期降板すれば、ベンチから飛び出して最前列で出迎える。「気持ちが落ち着いたなと思ったら、話をしにいったりね」。自身にも、仲間にも力を注いできた。

 「負けたり、引き分けたり。守っていてもしんどかった。連敗が続いていた中でこの1勝は大きい。ホッとする1勝になった」

 先の広島3連戦は2度の延長戦で2敗1分け。重苦しい空気のまま帰ってきた甲子園で“梅ちゃん”が一振りで一変させた。欲しかった勝利と結果。苦しんできた梅野にとってゲームチェンジになり得る夜だ。(遠藤 礼)

 《代打で打点は8年ぶり2度目》梅野(神)が8回に代打で決勝の2点打。代打で打点を挙げるのは、14年5月6日中日戦の延長12回表に決勝2ランを放って以来8年ぶり2度目。代打通算成績は52打数5安打の打率.096ながら、今季に限れば4打数2安打の好結果が残る。

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