西武・中塚 「ロマン枠」社会人でも“追球” 涙で始まり涙で終わったプロ人生に未練なし

[ 2021年12月30日 05:30 ]

惜別球人2021~パ・リーグ編

西武・中塚駿太
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 ドラフト2位で西武に指名された際に「ロマン枠」と呼ばれ、ファンに大きな夢を抱かせた中塚のプロ人生は涙で始まり、涙で終わった。「もうちょっとできたかなという後悔はあります。でも未練はないです」。1メートル91、102キロの大型右腕は吹っ切れた様子で話した。

 17年9月24日のオリックス戦でデビュー。9回に登板し、2球で2アウトを取った。しかし、次打者から12球連続ボール。2死満塁のピンチを招いて降板し、ベンチでは目を真っ赤に腫らした。

 今井、源田、平井と同じ16年ドラフト組。華々しい活躍をする同期の姿に「自分は何をやっているんだろう…」とボヤキながらも懸命に腕を振った。だが、今季は1軍昇格ならず「もう辞めよう」と戦力外を覚悟。10月2日、イースタン・リーグ巨人戦のマウンドに上がった。すると、一時は140キロを下回った直球は右肩痛が癒え、150キロを計測。「塚さん、ナイスピッチ!」。後輩たちの声に降板後、感極まりベンチ裏で号泣した。

 「まだ野球を続けたい」という気持ちが芽生え、トライアウトを経て、社会人ジェイファムで再出発する。チームが所属する西関東は東芝など強豪がしのぎを削るが「都市対抗出場を目指して頑張ります」。新天地でロマンを追い求める。(花里 雄太)

 ◇中塚 駿太(なかつか・しゅんた)1994年(平6)12月26日生まれ、茨城県つくば市出身の27歳。つくば秀英、白鴎大では大山(阪神)とチームメート。16年ドラフト2位で西武入団。通算成績は9試合に登板し0勝0敗、防御率9・31。1メートル91、102キロ。右投げ右打ち。

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2021年12月30日のニュース