ヤクルト高梨が日本一の使者だ!日本S第6戦先発濃厚 リーグ優勝導いた“オリ知る男”6勝2敗

[ 2021年11月27日 05:30 ]

笑顔でグラウンドを後にする高梨(撮影・村上 大輔)
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 「SMBC日本シリーズ2021」は27日、神戸に舞台を移して第6戦が行われる。オリックスの本拠地・京セラドームが他イベントで使用できないため、ほっと神戸で対戦する。3勝2敗で日本一まであと1勝のヤクルトは、高梨裕稔投手(30)の先発が有力。第7戦までもつれた場合は奥川恭伸投手(20)が濃厚。高橋奎二投手(24)を第2先発としてスタンバイさせるとみられ、総力戦で20年ぶりの日本一を狙う。

 熱戦を繰り広げ、週末の冷え込みが予想される神戸へ乗り込んだ。日本一に王手をかけて臨んだ前夜は惜しくも敗戦。決戦の舞台となる敵地でナイター練習を行った高津監督は「しっかり仕切り直して戦う。それ以外にない」と力を込めた。

 3勝2敗と優位な状況に変わりはないが、第6戦の相手先発は沢村賞を獲得した山本。指揮官は自軍の先発を明言せず。投手陣の練習は野手よりも早め、メディアに公開された時点では多くの投手が調整を終えていた。「正直たくさん点は取れない。相手のエースに勝つには点を与えないことが一番。そういうところは期待しています」と託した第6戦の先発は高梨が有力だ。

 勝ち運を持っている男だ。登板はリーグ優勝を決めた10月26日のDeNA戦以来。「凄く緊張したが“絶対大丈夫”と言い聞かせながら腹をくくって投げました」と全開の4回1失点で救援陣につなぎ、6年ぶりの歓喜を呼んだ。今季は12先発で4勝1敗も、チームは10勝1敗1分けで勝率・909。18年まで日本ハムに在籍した右腕は、オリックス戦はカード別最多の6勝2敗、防御率3・18を誇る。ほっと神戸では3戦3勝の負けなしと、相性の良いデータが日本一を後押しする。

 第7戦までもつれた場合は、中7日で奥川の先発が有力だ。初戦では山本と投げ合って7回1失点と好投。シーズンでは登板間隔を空けるチーム方針で最短で中9日だったが、大一番でリミッターを解除する。第2戦で133球でプロ初完封した高橋は第2先発としてスタンバイさせる見込みだ。若き両腕で4勝目をつかみにいく。

 5戦のうち1点差が4試合、2点差が1試合と接戦が続く。「負けたくない気持ちを向こうから凄く感じる。それ以上に僕らは持っているつもりでグラウンドに立っている」と指揮官。意地と意地のぶつかり合いを制した先に20年ぶりの頂点が待っている。(青森 正宣)

 《ほっと神戸のヤクルト勝率・692》ヤクルトがほっと神戸で試合を行うのは、20年7月11、12日の巨人戦以来。当時は新型コロナウイルス対策で移動を極力減らした日程に再編されており、巨人の主催試合として行われた。88年開場の同球場で、これまでレギュラーシーズンの試合は11試合、日本シリーズを含めても13試合しか経験はない。9勝4敗で勝率・692と、高い数字を残している。

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