広島ドラ4・田村 愛工大名電の大先輩「イチロード」歩む 夢はでっかく「新人王から将来はメジャーに」

[ 2021年11月7日 05:30 ]

仮契約を終え、担当の松本スカウト(左)と笑顔で握手する広島・ドラフト4位の田村
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 広島からドラフト4位指名された愛工大名電・田村俊介外野手(18)が6日、名古屋市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金3500万円、年俸500万円で仮契約を結んだ。パワーと柔らかさを兼ね備え、メジャー挑戦を将来目標に掲げる左のスラッガー。同じドラフト4位から世界へ飛躍した大先輩のイチロー氏と同じ道を歩む意気込みだ。(金額はすべて推定)

 実家のある京都府舞鶴市から父・俊之さん(54)、母・安代さん(48)が駆け付け、名古屋市内のホテルで行われた入団交渉。契約金3500万円、年俸500万円で晴れて仮契約を結んだ田村は、表情を引き締めて決意を口にした。

 「やっとプロ野球選手になれた。入団してからが勝負。負けないようにしっかり練習に励みたいと思います」

 夏の甲子園が記憶に新しい。8月11日の1回戦・東北学院戦で、3点劣勢の8回に右中間最深部へ一発。憧れの筒香嘉智(パイレーツからFA)を思わせる豪快弾は、高校通算32本目のアーチで、節目の選手権大会通算1700号だった。

 「一発長打だけでなく、状況に応じて逆方向にも打てるのが強みだと思っています」

 パワー以上に評判を得るのがバットコントロールだ。担当の松本有史スカウトは「前田智徳さんに匹敵する。1年目から1軍の試合に出る力はある」ときっぱり。同じドラフト4位入団から通算2119安打を放ったOBの天才打者を例に挙げた。

 「1年目の目標は新人王。将来はメジャーに挑戦し、活躍できる選手になりたいです」

 偉大なレジェンドがいる。愛工大名電から91年ドラフト4位でオリックスに入団し、日米通算4376安打を記録したイチロー氏(現マリナーズ会長付特別補佐)。「接点はない」ものの、同氏が記した野球ノートなど部内に残るゆかりの品が憧れと親近感を抱かせる。同じ「4位」で、高校時代は投手だったところも共通項だ。

 「イチローさんのミート力やコースに逆らわない打撃はスゴい。そこは僕も自信があるところ。同じドラフト4位から自分の力で上がって行かれたので、僕も目標に向かって頑張りたいと思います」

 1年目の来季から近未来まで、でっかい目標を掲げる18歳。「5歳からプロ野球選手を目指し」、中学で親元を離れて目標をかなえた過程に、意志の強さが透けて見える。広島で大成し、イチローロードへ。田村の挑戦はここからが本番だ。(江尾 卓也)

 <田村アラカルト>

 ☆生まれ&サイズ 2003年8月25日生まれ、京都府舞鶴市出身の18歳。1メートル78、90キロ。左投げ左打ち。

 ☆球歴 幼稚園年長時に1歳上の従兄弟が所属していた共楽少年野球クラブに練習生として参加。明徳義塾中では主将で3年夏の全国大会準優勝。2学期に故郷の和田中に転校。愛工大名電では1年春からベンチ入り。2年秋から主将を務め、3年夏の甲子園では1回戦敗退。

 ☆趣味 釣り。「実家に帰省した折に好きなので」。アジ、タイ、サワラが釣れるという。

 ☆好物 チキン南蛮。

 ☆好きな芸能人 いない。「小さい頃から野球ばかりやっていて、テレビをあまり見ない」。

 ☆好きな言葉 結果がすべて。「スポーツは結果が大事。担任の先生の話を聞き、そのことの大事さを感じた。以来どうすれば結果を出せるか、考えるようになりました」

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