田淵幸一氏 短期決戦の戦い方熟知した原監督 巨人と阪神、明暗分けた精神力の差

[ 2021年11月7日 19:10 ]

CSファーストステージ第2戦   巨人4―2阪神 ( 2021年11月7日    甲子園 )

<セCSファーストS 神・巨>3回無死一、二塁、代打・八百板は右前打を放つ(投手・青柳)(撮影・大森 寛明)
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 さすがに巨人・原監督は短期決戦の戦い方を知っている。相手ミスを逃さず、しつこく1点を取りにいく。投手は惜しみなく、早めの交代。ここぞの強さを感じる采配をまざまざと見せてもらった。

 2点先制された直後の3回の攻撃。敵失と安打の無死一、二塁で代打・八百板に強攻させた。まだ序盤。送りバントでもいい場面だが、八百板の足なら併殺はないと踏んで打たせた。阪神の先発・青柳がエラーから始まったピンチで動揺するのも見逃さず、この回一気に逆転。8回も敵失の直後に丸が絶妙のセーフティーバント。続く亀井が送り、ウィーラーが阪神・スアレスの難しい内角の直球を巧みに左脇を畳んで中犠飛にして加点した。

 原監督は継投でも先発・高橋が不調と見るや2回途中で交代。傷口が広がる前に手を打った。これが短期決戦の投手の使い方。3回からは先発投手の戸郷をマウンドへ送り、8投手での逃げ切りは見事と言うしかない。

 優勝経験者が多い巨人は、大事なところで各選手が仕事を果たした。対して阪神はエラーから失点を重ね、打線も3回以降はボール球を打ち、甘い球をファウルし好機をつぶした。阪神の13残塁に表れたのは、重圧のかかった試合での巨人との精神力の差だった。

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2021年11月7日のニュース