【スポニチ潜入 大阪発(14)】関学大・黒原 佐藤輝からの2被弾も成長の糧 虎も注目の151キロ左腕

[ 2021年6月15日 09:00 ]

地元・阪神はもちろん12球団が注目する関学大・黒原 
Photo By スポニチ

 スポーツニッポン新聞社では、今年も企画「スポニチ潜入」でアマチュア野球の有力選手(高校、大学、社会人)を記事と動画で紹介します。大阪本社では「スポニチ潜入 大阪発」と題し、エリア内の有力選手を紙面、公式サイト「スポニチアネックス」、YouTube公式「スポニチチャンネル」で取り上げます。第14回は今秋ドラフト上位候補に挙がる最速151キロ左腕、関学大・黒原拓未投手(22)です。

 黒原は今春に大きく飛躍した。関西学生野球春季リーグで3完封を含む5勝(1敗)、防御率0・70と圧倒的な成績を残し、関学大の14季ぶり(中止の20年春季を除く)15回目の優勝に貢献。個人でも最優秀選手、最優秀投手、ベストナイン(投手)の3冠を初受賞した。大学選手権でも好投し8強へ導いた。

 一番の魅力は直球だ。1メートル73、76キロと小柄だが、搭載しているエンジンはとてつもなく大きい。うなり声を上げながら投じる球は近づくと恐怖を感じるほどの迫力がある。

 「ストレートはずっと自信を持ってきた。ピンチになっても強気で投げ込んでいく姿勢も自分の強み」

 胴上げ投手となった5月25日の京大2回戦(わかさスタジアム京都)では2点リードの9回2死から登板し、1球だけ157キロを投じた。本人は自己最速を一気に6キロ更新する“幻の1球”を「僕は全然信じていないですけど」と笑うが、今春は151キロを何度かマークしており着実に力はついてきている。

 智弁和歌山で甲子園を経験し、関学大では1年春からリーグ戦で起用された。150キロの速球で注目されたが、勝ち星は伸びなかった。昨年11月、大学最終年に勝負するため左肘の遊離軟骨除去手術を決断。リハビリを経てパワーアップした。

 今季はどんな場面でも安定した投球ができるように、すべてセットポジションでクイック気味に投げている。そのセットポジションの際にグラブに入れる左手の角度を修正してスムーズなフォームを手に入れ、踏み出す右膝も開かないように意識することで、下半身から腕、指先へと効率よく力が伝わるようになった。

 課題は変化球だ。スライダー、カットボール、チェンジアップ、スプリットを操るが、特に力を入れているのはカットボールとチェンジアップ。「どっちもゾーン内で使える球なので、特にバッターを惑わすには一番有効かなと思う」。チェンジアップの理想型はオリックス・山岡。動画やテレビ中継を見て研究しているという。

 阪神で1年目から活躍する近大出身の佐藤輝とは昨年までリーグ戦で真剣勝負を繰り広げた。佐藤輝に唯一、2本塁打を浴びた投手となったが「すごい選手と対戦できたのは良い経験。もっと練習しないとダメだなと思った」と苦い思い出も糧にして成長を期す。

 プロの評価もうなぎ上り。阪神の和田豊球団本部付テクニカルアドバイザーも「すべての球種で勝負できる」と高く評価する。

 「今年は何としても結果を出してドラフト指名されるように頑張りたい」。速さに安定感が加わった黒原がどこまでレベルアップしていくか注目だ。(文=中澤 智晴、動画撮影=井垣 忠夫)

 ◇黒原 拓未(くろはら・たくみ)1999年(平11)11月29日生まれ、和歌山県海南市出身の21歳。日方小1年から日方スポーツ少年団で野球を始め、海南中では軟式野球部に所属。智弁和歌山では1年秋からベンチ入りし2年秋からエース。3年夏に甲子園出場。関学大では1年春からリーグ戦に登板。今春は5勝を挙げて優勝に貢献し、最優秀選手、最優秀投手、ベストナイン(投手)の3冠を獲得。1メートル73、76キロ。左投げ左打ち。

 ※関学大・黒原選手の動画は「スポニチチャンネル」において配信中です。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「中田翔」特集記事

2021年6月15日のニュース