関学大 70年越しリベンジならず…慶大に敗れ準々決勝敗退 エース黒原5回4失点もスカウト評価揺るがず

[ 2021年6月11日 05:30 ]

第70回全日本大学野球選手権・準々決勝   関学大3―5慶大 ( 2021年6月10日    神宮 )

<全日本大学野球選手権 関西学院大・慶大>力投する関西学院大先発・黒原(撮影・郡司 修)
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 準々決勝4試合があり、62年ぶりに大会2勝を挙げた関学大は今春公式戦初の1試合2発などで慶大と接戦を演じたが、惜敗。今秋ドラフト上位候補の黒原拓未が5回4失点で降板し、同校初の全国3勝、57年ぶりの4強入りはならなかった。福井工大は1試合最多四死球、1試合最多得点の大会記録に並ぶ猛攻で名城大を下し、27年ぶりの4強に進出した。

 陸の王者にのみこまれた。関学大・黒原は許した適時打こそ初回の1本のみだったが、2犠飛と押し出し死球で計4失点。52年の第1回大会決勝で敗れた因縁の相手に、70年越しのリベンジを果たすことはできなかった。

 「立ち上がりが悪かった。抜け球も多く、まだまだだなと思いました」

 初回の2失点は味方の失策絡みだったが、高めの球が目立った。同点の5回には1死から四球と連打で満塁とされ、今秋ドラフト候補の正木に死球。福井には4点目の犠飛を浴びた。自己最速に2キロに迫る149キロを計測も、この回で降板。81球を投げ5安打3四死球では納得できるはずもなかった。

 ただプロのスカウトの評価は揺るがない。3人態勢で視察した阪神の畑山俊二統括スカウトは「完全に圧倒されたわけではない。直球も変化球も、両コーナーにきっちり制球できる投手」と素質を高く買う。今年は大学生左腕に好素材が多く、筑波大・佐藤隼輔、法大・山下輝、西日本工大・隅田知一郎らとの比較になりそうだ。関学大躍進の象徴となった絶対的エースは「一番じゃなければ何番でもいっしょ。一からやり直します」と悔しさをにじませ、秋の神宮帰還を固く誓った。(北野 将市)

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