エンゼルス・大谷 不屈の9号キング弾! 超滞空130メートル“ムーンショット” 先発登板回避も

[ 2021年5月5日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス3―7レイズ ( 2021年5月3日    アナハイム )

<エンゼルス・レイズ>6回、中越えに9号2ランを放ち打球の行方を見守る大谷(AP)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(26)が3日(日本時間4日)、レイズ戦に「2番・DH」で出場。6回にタイラー・グラスノー投手(27)からメジャートップタイの9号2ランを放った。初回の「三塁強襲二塁打」と合わせて2安打2打点。2日のマリナーズ戦で右肘に死球を受けた影響で先発登板は回避したが、不屈の思いをバットに込めてメジャー屈指の大物右腕を斬った。

 心の刀は決して折れない。不屈の一発だ。大谷がグラスノーのスライダーを強振。走る必要はなかった。中堅に高々と上がった打球を見上げ、一塁方向にゆっくり歩き始める。5点を追う6回無死一塁。本塁打が出やすい角度とされる26~30度を大きく超える34度で放たれた打球は427フィート(約130メートル)も飛び、メジャートップタイの9号2ランとなった。

 大リーグ公式ツイッターは「Shohei moonshot.(翔平のムーンショット)」と筋肉の絵文字付きで驚異のパワーを報じた。試合前まで防御率1.67と圧巻の数字を誇った身長2メートル3のエース右腕グラスノーも「非常に印象深い打者。立ち居振る舞いも素晴らしい」と驚き「僕は(体重が)230ポンド(約104キロ)だから、僕より絶対大きい」と興味津々。大谷の体重は「102~103キロ」だが、それ以上の威圧感を強調した。

 2日に93マイル(約150キロ)の速球を右肘に受けた影響で予定されていた先発登板は回避した。ジョー・マドン監督は「彼は(試合では)痛くて投げられない」と説明したが、大谷にはもう一本の刀がある。右肘じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)の勧告を受けた直後の18年9月5日のレンジャーズ戦では2本塁打。右肘を再び痛め打者専念初戦となった20年8月6日のマリナーズ戦でも一発を放った。逆境で力を発揮する。それが大谷だ。

 初回は遊撃の定位置付近を守っていた三塁手のグラブをはじき、中堅へ打球が転々とする間に好走塁で二塁打に。失敗したものの三盗も試みた。打撃も走塁も超一流。敵将のケビン・キャッシュ監督も「唯一無二の存在。スーパーな才能がある」と驚くしかなかった。

 大物攻略は大谷の代名詞だ。今季1号も昨季最優秀救援投手のヘンドリックス(ホワイトソックス)からで、過去にもサイ・ヤング賞投手らを打ち崩している。27試合で9本塁打とし、シーズン54発ペース。夢は広がる。

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